10kmランに成功してから気づけば約1カ月。フルマラソンの距離は10kmの4倍以上もあるのに、またしても足踏み状態が続いている。10kmの壁は厚い。先は長いなあ…。
つい弱気になるカメ子を、この企画にウエアを提供してくれているダンスキンの担当Mさんが、こんな風に激励してくれた。
「壁を作っているのは自分自身。本当はもっと走れるはず!」
「『壁』と呼ぶことで、自分の中に限界を設定してしまっていませんか? 10kmという距離は、これまで積み重ねてきたトレーニングの単なる通過点じゃないですか。壁だと思って意識すると、体も自然と硬くなって脚が止まってしまいます。節目の数字にこだわらずに、まだ行ける、まだ行けると信じて走ってみたらどうでしょう。ダメかな、と思った後でも意外に力は残っているものですよ。あとは気持ちの持ち方次第です!」
そ、そうか…! 壁を作っているのは自分自身だ、というMさんの言葉に、背中から甲羅が…ではなく、目からウロコが落ちるカメ子。確かにそうかもしれない。よし、次は無心でがんばってみよう。
そんな気合いのもと、迎えた次の週の自主トレ。
この日は、十分に睡眠をとり、体調も万全。気温も下がって空気はカラッと乾燥し、走るための好条件がそろっていた。いつものように7分40~50秒/kmくらいのペースを保ちながら、2km、3kmと順調に距離を伸ばしていく。前回、真鍋コーチに指導されたフォームのポイント、「腕振りで肘をしっかり引くこと(前に出しすぎないこと)」と「体幹をクシャッと曲げずにピンと保つこと」(詳しくは「8kmラン+スピード走でトレーニングも『夏仕様』」)に意識を集中して走る。
暑さでバテてしまった前回とは違い、今日は涼しい空気が味方をしてくれた。順調なペースで距離を伸ばし、1時間が経過。さらに10分ほど走り、時計を見ると、9kmに到達していた。おおっ久しぶりの9km! うれしい半面、8kmを超えて走れたのは久しぶりなので、さすがに全身が疲れてきたのを感じる。「十分がんばったから、今日は(も)10kmでいいかな…」。そんな思いが頭をよぎる。
いやいやいや、壁はない! その先まで行ける!
Mさんの言葉を思い出し、「壁はない…まだ行ける…」と呪文のように唱えながら、ひたすら無心で走り続けるカメ子。その結果…
なんとか12kmまで走ることができました! \(≧∇≦)/
タイムは1時間34分02秒。平均ペースはなんと、この距離を走っても7分50秒/kmと、8分を切ることができた。すごい…!! 気持ちの持ち方次第で、距離ってこんな風に伸びるものなんだ。単純なカメ子は、Mさんの暗示のおかげで久々に大きな達成感を味わうことができたのだった。ただ、体は正直。初めて走る距離だっただけに、その後はぐったり疲れてしまった。
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