本格的な夏の到来を前に、夏トレの基本を学んだカメ子。真夏は距離を無理に伸ばそうとしなくてもいいとはいうものの、秋~冬のフルマラソン参戦を見据えて、今の段階で何か1つ達成感を味わっておきたい。そんなカメ子に真鍋コーチが提案してくれたものとは…?
真鍋未央コーチによる指導の下、夏のトレーニングのポイントを学んだ前回(「夏ランの前に補強トレの新メニューをマスター!」、「8kmラン+スピード走でトレーニングも『夏仕様』」)。真夏は距離を伸ばすことに固執しなくてもいいとはいうものの、涼しくなるのを待っていたら、あっという間にランニングシーズンがやってきてしまう。秋のハーフマラソン、秋~冬のフルマラソン参戦を見据えて、今の段階で何か1つ達成感を味わっておきたい気もする。
そんなカメ子の胸中を察してか、真鍋コーチがこんな提案をしてくれた。
「10kmのナイトランの大会に出てみるなんてどうですか? 昼間は暑くて思うように走れなくても、夜なら涼しいので距離も伸ばせますし、夜景を見ながら独特の雰囲気を楽しめます。レース経験を積む意味もありますが、真夏の練習の一つの選択肢、という感覚で検討してみてもいいと思いますよ」
ナイトラン!
調べてみると、金曜日の夜に、部分的にライトアップされた公園の中を走る大会のようだ。仕事帰りに夜の公園を走るなんて、なんだか都会のランナーっぽくってかっこいい~! 会場は海沿いなので風もあり、暑くて思うように走れないストレスも解消できるかもしれない。なにより、10kmならもう走れたし(1回だけだけど)!
「走ってみたいです!」
3kmでも腰が引けまくっていた初レース(詳しくは「暴走?迷走? まさかの“ぼっち参戦”で初レースに挑んだ結果」)のときとは打って変わって、即答するカメ子。身近な目標ができれば、自主トレにも力が入るというものだ。
なかなか破れない「10kmの壁」
「次回、ナイトラン前の指導日には、夕方の涼しい時間帯を選んで、いつもの公園の周回コースではなく、アップダウンのある公道を10km走ってみましょう。それまでの間、暑さや体調と相談しながら、5~10kmを目安に無理せずトレーニングを続けてください」(真鍋コーチ)
そうアドバイスを受けてから、1カ月の自主トレは、以下のような感じで進んだ。
指導日直後は、張り切って同じ週の半ばにランニングの時間をとってみた。だが、この日の最高気温は、さらに上がって28℃。じりじりと照りつける太陽を避けるように木陰を求めて走ったものの、汗が吹き出し、いつものように走っているつもりなのに、思うように足が前に出ない。あれ、いくらカメ(子)とはいえ、私ってこんなに走るの遅かったっけ…? これが、夏のランニングというものか。まだ体が暑さに慣れていないだけに、つらい…。
結局、この日は10kmどころか5.7kmで息が上がってつらくなり、歩いてしまった。ここのところ、走るペースが当初の8分~8分30秒/kmから徐々に速くなり、7分台後半に上がってきていたのだが、この日は8分/kmをオーバーするスローペースで終わった。
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- 「壁を作っているのは自分自身です!」