日経グッデイ

走り亀 ~ヘタレランナー フルマラソンへの道~

8kmラン+スピード走でトレーニングも「夏仕様」

第18回 夏のランニングは距離にこだわらない!【後編】

 カメ子=日経Gooday

夏のトレーニング未経験のカメ子が迎えた、9週間ぶりの真鍋コーチの指導日。気温は26℃。「暑いときは距離を伸ばすことにこだわらず、短めの距離でスピード走などを入れて刺激を加えましょう」と言う真鍋コーチと一緒にウォームアップを終え、ランニング、開始です!

 初夏の陽射しの下、ウォームアップと補強トレーニングを終えたカメ子(詳しくは前編「夏ランの前に補強トレの新メニューをマスター!」を参照)。いよいよランニングのスタートだ。

 「これからどんどん暑くなり、ランニングには厳しい季節がやってきます。真夏は、長い距離を走るのはまず無理と割り切った方がいいです。ハイキングに出かけて下半身の筋肉を鍛えたり、スイミングに切り替えて全身運動を行ってもいいでしょう。走るときは、できるだけ涼しい時間帯・涼しい場所を選んで、いつもよりも短い距離をペースを上げて走る、または、通常のペースで短い距離を走った後に500~1000mくらいのスピード走を1本入れるなど、短時間で上手に筋肉に刺激を与えるメニューを取り入れてみましょう」(真鍋コーチ)

 そんなアドバイスの下、気温が高い今日は、いつもの8分/km程度のペースで8kmを走り、軽く休憩してから500mのスピード走(6分30秒/km程度の速さ)を入れ、最後はウインドスプリント(詳しくは「ヘタレランナー・カメ子、ついに『30分』走る!」参照)で締めくくることになった。

フォームを徹底的に意識して走る!

 「今日は、距離を伸ばすことが目的ではないので、フォームを徹底的に意識して走りましょう」(真鍋コーチ)

 フォームについては以前もコーチに解説してもらったが(「ランニングフォーム、6つのポイント」)、この日、コーチから指摘された、カメ子のフォームの注意点は3つ。

1)腕振りは「引く」のみに集中!
2)体の軸はまっすぐに!
3)やや前傾で、背筋を伸ばす!

 まず、腕振り。カメ子の場合、腕振りを意識するあまり、「引く」だけでなく「戻す」にも力が入り、勢いよく戻ってきたひじが腰骨よりも前に飛び出している、と真鍋コーチから指摘が。これだと、身体が反り返る感じになって、後ろに傾いてしまいがち。結果、かかと着地につながり、ブレーキがかかってしまう。「腕は『引く』ことだけを意識しましょう」(真鍋コーチ)。

 次に、体の軸をまっすぐに保つ。こと。着地のときに脚が上体よりも前に出てしまうと、後傾につながる。「常に上体の真下に着地するイメージで、身体の軸をまっすぐ保つよう意識しましょう」(真鍋コーチ)。

 3つ目が、背筋をまっすぐ伸ばす。こと。「丹田(おへそのすぐ下)にぐっと力を入れて、気持ち前傾を心掛けましょう」(真鍋コーチ)。このとき、背筋がぐにゃっと曲がってしまうと、空気の抜けたボールのようになり、着地の衝撃を受けるたびに腰が沈んでしまう。確かにカメ子の走りを写真で見ると、真鍋コーチと違って、腰が沈んでいるのが一目で分かる。体幹の筋力がまだ足りないのだろう。

 「自分の体が『空気の入った弾力のあるボール』になったイメージで、首からおへそまでをピンと伸ばしましょう。『洗濯物を干す時に、くしゃくしゃのタオルをぴんと伸ばすイメージ』を持つといいかもしれません」(真鍋コーチ)。

 以前からコーチに「体が斜め上に引っ張られるように」というアドバイスをもらっていたのだが、その感覚がいま一つつかめないままだったカメ子。だが、その表現を言い換えると、「くしゃくしゃのタオルをピンと伸ばすイメージ」なのだという。なるほど! この表現、カメ子にはとてもしっくりきた。日常生活に密着した例えだからだろうか。何か、少しつかめたような気がする。

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「以前よりはフォームが崩れにくくなって、明らかに安定してきていますよ」とのうれしい言葉も。

 フォームを徹底的に意識しながら、二度の給水を挟み、無事に8km走を終了。記録は7.96km、1時間00分22秒。目標よりも速い、7分35秒/kmで完走できたことになる。この暑さの中で、カメ子としてはなかなか上出来なペースだ。 とはいえ、かなり汗をかき、消耗している。

仕上げはスピード走とウインドスプリント

 8kmを走り切り、水分を補給して2~3分休憩したところで、引き続き500mのスピード走に初めて挑戦した。いつもよりペースを速めて、6分30秒/kmのペースで走る。8km走ったあとの500mならあっという間かな、と思ったが、これが、きつかった! 隣を走りながら 「100m…200m…」と距離を告げるコーチ。長い…。500mってこんなに長かったっけ?

 やっとの思いで500mに到達したところで、最後の力を振り絞って、以前もやった100mウインドスプリント。全速力の8割程度のスピードで駆け抜ける。これを走れば本当にラストだ。がんばろう!

ぬおおお~~~!!
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 走り終えて撮影フォトをチェックすると、コーチが目を丸くして言った。

 「すごい! 走りが前と全然違う! とってもいいフォームです、カメ子さん!」

 隣でカメラマンM氏も「本当ですね! かっこいいです!!」と絶賛。

 「本当だ! か、かっこいい!!」

 と、カメ子まで自画自賛。

 フォームを徹底的に意識した成果だろうか。8カ月のトレーニングで、走りが安定してきた証だろうか。いずれにしても、この「奇跡の1枚」は最高の“ご褒美”になった。

「暑い中、がんばりましたね」「はい!」
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カメ子の内股対策 第二弾! 内臀筋を鍛える片脚スクワット

 カメ子のランニングフォームの大きな悩みが、内股問題(詳しくは「ついに8km完走、1時間も走り続けた自分に驚愕!」)。この日は、真鍋コーチが新たな内股対策として、内臀筋を鍛える片脚スクワットを伝授してくれた。

 まず、脚を前後に軽く開いて立ち、膝はまっすぐ前を向ける。次に、上体をまっすぐに保ったまま、ゆっくり腰を落としていく。この上下運動を繰り返し、前側の脚の内臀筋を鍛える。

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 後ろの脚は最初はつま先立ちでかかとを浮かせて行うが、「慣れてきたら、つま先もつけずに後ろの脚全体を浮かせてやってみましょう。右足を多めに鍛えてくださいね」(真鍋コーチ)。

 ということで、今回は距離は伸ばせなかったものの、夏のトレーニングのポイントを学びつつ、フォームに関して大きな手ごたえをつかんだ指導日となった(次回「『10kmの壁』なんてものはない!」へ続く)。

(写真:村田わかな)

(衣裳協力:ダンスキン/ゴールドウイン〔カメ子着用:Tシャツ 3900円、ショートパンツ 5300円、C3fitインパクトエアーロングタイツ 1万3500円、以上すべて税別〕)

真鍋未央(まなべ みお)さん
ランニングアドバイザー
真鍋未央(まなべ みお)さん

福岡県出身。高校時代、中・長距離の陸上選手として活躍し、卒業後は資生堂ランニングクラブに所属。同クラブ在籍中にマラソンに転向。ベストタイムは2時間55分27秒(2006年1月29日大阪国際女子マラソン)。現在は、ランニングアドバイザーとして女性向けのセミナー、ランニングイベント「miobiRun」を定期的に開催するほか、TVや雑誌など各種メディアで活躍している。公式ブログはこちら
著書『週1回のランニングでマラソンは完走できる!』(池田書店)
(写真:村田わかな)