高低差があまりないこと
大会によっては、かなりの高低差があるコースが設定されていることもある。たとえ歩いているときはほとんど気にならないゆるやかな上り坂であっても、走るとものすごくつらい。下りは下りで脚に負担がかかり、自然とペースが上がるため、その後のペースダウンにつながりがちだ。
限界ギリギリの力で走る初マラソンでは、体力の消耗を防ぐために、アップダウンは少ないに越したことはない。「フラットなコースといわれているつくばマラソンが高低差10mちょっと。同じく東京マラソンが15mほどですので、初心者には高低差が15mほどに収まるコースが理想ではないかと思います」(真鍋コーチ)。
暑すぎず、寒すぎないこと
マラソン大会にベストの季節は、秋か春。「真冬はインフルエンザなどで体調管理が難しいこと、また年末年始などの行事があり、なかなか大会準備ができないことも考えられます。一方、真夏は体力を激しく消耗し、通常よりもトレーニング量が落ちてしまいますし、熱中症のリスクも高まります」(真鍋コーチ)。
さらに、秋といっても、涼しくなってすぐに開催される大会は避けた方がいいのだそうだ。「初秋の大会に出る場合、真夏になかなか長距離を走り込めないため、準備不足で本番を迎えることになりがちです。地域にもよりますが、初マラソンで秋の大会に出る場合は、9月中は避けて、10月後半から12月末くらいまでの期間がお薦めです」(真鍋コーチ)。
一方、春の場合は、3月から5月にかけての期間がベスト。「6月に入ってしまうと、関東以南の地域では既にフルマラソンには過酷な気温となりますので、初心者は避けた方が無難です」(真鍋コーチ)。
大会前のトレーニングのしやすさも考慮に入れなければならないので、意外に時期の制約は大きいことを知る。そうだったのか…。
閑散としたコースは心が折れる 周回コースも避けよう
これらの条件に加えて、大会選びにはモチベーションを保つための要素も重要なのだそう。「参加ランナーの数が多く、地元密着で沿道の応援がある大会を選ぶといいですよ。フルマラソンはメンタルの良し悪しが結果を大きく左右します。見知らぬ人に声をかけてもらうと、それだけで力がわいてきますし、逆に、誰もいない閑散としたコースを走っていると、孤独で心が折れそうになります」と真鍋コーチ。
さらに「周回コースでない大会を選びましょう。周回コースはペース管理がしやすく、リタイアしてしまった場合にスタート地点に戻りやすいという利点がありますが、半面、単調でレースの楽しさを味わいにくく、あと〇周もあるのか、とカウントすることで気が滅入りがちです」(真鍋コーチ)。

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