ついに迎えた東京マラソン当日。大会の盛り上がりと温かい応援に後押しされ、なんとか前半を走り切ったヘタレランナー・カメ子。ここから先の21kmは、完全なる未知の世界。いったいどんなことになるのだろうか…。
沿道に居合わせた人からチョコをもらい(詳しくは前回記事「ヘタレランナー、ついに憧れの東京マラソンを走る」)、パワーを取り戻したカメ子。勢いよく有楽町のガードをくぐって銀座四丁目の交差点を曲がり、高級店の立ち並ぶ中央通りに入った。さすが銀座。たくさんのランナーたちを迎え、ひときわ華々しい雰囲気に満ちている(東京マラソンのコースマップは、大会ホームページ参照)。
ここでまた、スタンバイしてくれていた家族・友人を見つける。「〇〇まで行けば、応援の××に会える」「その次は、3km先にカメラマンがいる」…そんな風に、小刻みに「会いたい人たち」が待っていてくれると、頑張ろう、という気力がわいてくる。ありがたい。
22km過ぎの給水所で、あんぱんの給食を発見! 東京マラソンでは、コース上、計5カ所にパンやバナナ、チョコレートなどが用意されており、基本的には必ず立ち寄って食べていた。給水所も計15カ所と充実しており、5kmごとのポカリスエットは必ず補給。
このほか、沿道からもチョコレートや飴、コーラ、ワイン(!)など、至る所で差し入れが。後半になると、疲れた脚に吹き付ける消炎鎮痛剤のスプレーを手に持ってランナーに貸してくれる人も何人も見かけた。皆、どうしてこんなに親切なのだろう? 大会全体を包み込むホスピタリティに感動する。
23km。脚が、重い…
お祭り気分の盛り上がる銀座~日本橋エリアを抜けると、23km地点。ここからは、浅草・雷門の折り返し地点(28km手前)を目指し、ひたすら北上していく。
脚が…重い…。
気持ちは元気で、どんどん前に進みたいのに、脚だけがついてこない。極度の疲労からか、脚の筋肉が硬くこわばってしまい、うまく動かせないのだ。小さな橋のゆるやかな上りでも、脚に堪える。下りはもっとつらい。真鍋コーチの勧めでアップダウンは歩くことにするが、一度歩いてしまうと、走り出すときに脚が硬直していて、思わず「うっ…」と声が出る。
「大丈夫か?まだ時間の余裕はあるから、ゆっくりでいいぞ」(ドS元編集長)
そう言うドS元編集長も初マラソンのはずだが、走り方を見ると、余裕たっぷり。カメ子とは鍛え方が全然違うらしい。
「歩くときはできるだけ大股で、一歩一歩、脚をストレッチする感覚で進むといいですよ」(真鍋コーチ)
そんなアドバイスをもらいながら、ひたすら前を目指す。ようやく25km関門(25.0km)が見えてきた。この日初めて、ヘロヘロになりながらの通過。通過タイムは3時間38分24秒(ネットタイムは3時間23分04秒*1)。関門制限タイム(4時間03分)の約25分前だ。
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