最大のヤマ場、35km関門をなんとか通過
どのくらいの時間を走ったのだろうか、気が付くと、銀座に向かうコーナーを曲がっていた。そして、沿道に友人・家族の姿を発見! うれしくて手を振ると、
「がんばれー!! 止まらないでいいから、行って行って!」
と大きな声がかかる。立ち止まると脚がつらくなる。関門制限が迫っている。そのことを慮っての声掛けに、思わず胸が熱くなり、涙が出てきた。
とにかく、この挑戦を、やり遂げたい!
沿道の応援と銀座の賑わいに力をもらい、銀座四丁目の交差点を築地方向に曲がり、ついに、35km関門(34.6km)を通過した。タイムはおよそ5時間18分(ネットで5時間3分)。ゲートクローズの10分前だった。
危なかったな…。トイレに寄っていたら、アウトだったかも…。と冷汗をかきつつ、そのすぐ先の、35km地点を通過。タイムは5時間23分16秒(ネットで5時間07分56秒)だった。
ていうか、よく考えたら、かれこれ5時間半近く走り続けているのか…∑( ̄ロ ̄|||)
フルマラソンってすごいスポーツだな…。よくこんなところまで走ったな…と、ふと我に返って恐ろしくなる。
「ここまでくればもう大丈夫ですよ! がんばりましたね! あと一息です!」(真鍋コーチ)
そう、実は、この35km関門を過ぎてしまえば、次の38km関門(38.3km)までは、「4kmを1時間」程度、つまり15分/kmのペースで間に合う。たとえ35km関門通過がギリギリだったとしても、13分/km以内なら間に合う計算だ。
38km関門の先の最終関門(41.5km)も、11分30秒/km以内のペースなら通過できる。つまり、35km関門さえ越えてしまえば、ラスト7.6kmは全部歩いたとしてもゴールはまず確実という設定になっているようだ。
ゴールは確実… 確実… 確実…
なんという甘美な響き!! 皆そのことを知っているのだろう、35km関門を過ぎると、歩きだすランナーが増え、走っているランナーよりも圧倒的に多くなった。皆、カメ子と似たり寄ったりの走力で、同じような苦労をしてここまで走ってきたランナーたち。気持ちは完全に同志だ。
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- 「絶対ゴールするから!」