この25km関門までの直近5kmは、9分30秒/kmというスローペースになっていた。ストレッチのために立ち止まったこともあり、一気に減速している。関門の先には、途中棄権したり、関門制限時刻に間に合わなかったランナーをフィニッシュ地点まで運ぶ、黄色いバスが待機している。いかん、あれは、見ちゃいかん…。
地面に寝転がってのストレッチで少し楽に
25km関門の少し先の給水所の辺りで、また脚が動かなくなってきた。ストレッチをするために道の脇に移動すると、
「寝転がってストレッチしましょうか?」と真鍋コーチ。
「え?」(カメ子)
一瞬躊躇するも、ありがたくやってもらうことにした。道路にゴロリと仰向けになり、真鍋コーチにゆっくりゆっくり脚を持ち上げ、曲げ伸ばしをしてもらう。がんばれ、元気出せ、私の脚…。
「カメ子さん、脚、相当疲れてますね。膝がプルプル震えてますよ」(真鍋コーチ)
「それってまさに『膝が笑う』ですね~(笑)」(カメ子)
そんな会話を交わしながら、深呼吸を繰り返す。
ストレッチの効果はてきめんだった。立ち上がり、歩き出すと、脚がスムーズに動くようになっている。さっきよりもはるかに脚が軽い。だが、走り出そうとすると、やはり一歩一歩がつらい。先を行くコーチに「ちょ、ちょっと待って…」と追いすがりながら、ゆっくりゆっくり時間をかけ、ジョギングに移行する。
浅草まであと2km。折り返せば精神的にはだいぶ楽になるはず。とにかく、浅草の折り返しを目指してがんばろう。

ノロノロながらもなんとか走り続け、ついに雷門に到着したとき、ドS元編集長から意外な一言が飛び出した。
「これが雷門か~。初めて来たよ」(ドS元編集長)
「えっ?! ちょっと、東京に何年住んでるんですか?」(カメ子)
…ということで、ドS元編集長、人生初の雷門の前で記念撮影。
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- 残り14km…。な、長い…。