右膝の痛みから距離がまったく伸ばせず、失意のどん底にいたヘタレランナー・カメ子。フルマラソン前の最終ロング走を2日後に控えたある日、向かった治療院で、いつものトレーナーさんから思いもかけない提案が…!

東京マラソンまで、ついに1カ月あまりとなった。カメ子は、相変わらず右膝の痛みが良くならず、練習では10kmも走れない、まさにどん底の毎日を過ごしていた(詳しくは前回記事「東京マラソン目前、膝が痛い、距離が伸びない」)
少しでも不安を振り払おうと、週3~4回の補強トレーニング、足裏を柔らかくするための青竹踏み(着地の衝撃を受け止められるように)、お風呂でのセルフマッサージとストレッチ、そして鉄剤を併用した貧血対策にも励んでいた。
だが、ランナーである前に、フルタイムのワーキングマザーでもあるカメ子。仕事を終え、家事を終えた頃にはぐったり疲れ果て、着替えもせずに寝落ちしてしまう日も…。自分なりに精いっぱい頑張ったものの、決して理想的な準備を重ねられたわけではなかった。
そしていよいよ、真鍋未央コーチと一緒の最終ロング走に挑む2日前、カメ子は以前からお世話になっている「ケッズプラス治療院」を訪れた。
「鍼ってやったことありますか?」
カメ子を担当してくれているトレーナーの金子智亜樹さんは、初めて膝が痛くなり、10kmレースをリタイアしてしまった時に、真鍋未央コーチに紹介してもらった方(詳しくは関連記事「ランの膝痛に悩み、スポーツマッサージ初体験!」)。カメ子の脚の状況について真鍋コーチと情報を共有し、一緒に対策を練ってくれる、ありがたいサポーターなのだ。
カメ子の顔をみるなり、金子さんから「真鍋さんから膝の力が抜けてしまうと聞いて、心配していました。まずは状態を見せてもらって、対策を考えましょう」と、心強いお言葉!
施術を受けながら「前回よりも足裏がだいぶ柔らかくなっていますよ! 青竹、効いてますね~」と褒められるカメ子。ちょっとでも改善の兆しがあると分かっただけで、じわっと涙が出てくる(←だいぶメンタルが弱っている)。
そして、問題の右脚のマッサージを受けていたときだった。
「痛たたたっ」
思わず声を上げてしまうほど、凝っている場所があった。
「今、痛みを感じた右の太腿の内側の辺りに、硬い凝りがありますね。これはマッサージではなかなか取れません。この部分の筋肉の疲れが回復せず、弾力が失われて硬くなってしまっているために、衝撃を受け止めきれなくなっている可能性があります」(金子さん)
そして、金子さんの口から思いもかけない言葉が飛び出した。
「1つ、お薦めしたい選択肢があるのですが…。鍼ってやったことありますか?」
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- 「絶対に無理!」と言いたいところだが