鍼は「縫い針でうっかり指をチクッ」よりも痛くない
「は、鍼?!」
「そうです」
「一度もやったことがありません。鍼って、つまりあれですよね、ブスッと刺すんですよね? 痛いですよね?(涙目)」
「うーん、そうですね。まったく痛くないと言うとウソになってしまうかもしれません。でも、使うのは髪の毛ほどの細さのものですし、痛みといっても、鋭い痛みではなく、じわーっと広がるような痛みです。たとえば、お裁縫をしていて、うっかり縫い針で指をチクッと刺してしまうこと、ありますよね? あれの方が、私はよっぽど痛く感じます」
「そ、そうなんですか? そんなもんですか?(疑心暗鬼)」
「痛みの感じ方は人それぞれですが、カメ子さんが想像しているよりもずっと痛くないと思いますよ。もちろん、無理にやる必要はありません」
「えっと、それは、具体的にどこに行けばできるんでしょうか…?」
「ここです(*^-^)」
「え、ここで? えっと、いつですか?」
「今です(*^-^)」
「今?! もしかして、金子さんが?」
「そうですよ(*^-^)」
なんとー! 実は金子さん、「あん摩マッサージ指圧師」だけでなく、鍼灸師(「はり師・きゅう師」)の国家資格もお持ちだったのだ。
予想外の展開に面食らい、しばし固まるカメ子。何を隠そう、カメ子は痛みに弱く、しかも先端恐怖症。普段だったら間違いなく「絶対に無理!」と拒否するところだ。
だが、ほかでもない、カメ子の筋肉の状態をよく知ってくれている金子さんがやってくれるのなら…。そして、鍼を打つことで、少しでも右脚が良くなり、このどん底から這い上がれるのなら…。むしろ、これは大きなチャンスじゃないか? 変に日や場所を改めても、恐怖心が増幅されるだけだ。
そうだ。やるなら、今しかねぇ!!(田中邦衛さん@「北の国から」風…分かる人にだけ分かればいい…)
「やります! やってみます! よろしくお願いします!」
カメ子、決死の思いで、鍼治療に挑戦することに。
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