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ロボットスーツHALは「急性期リハビリに有効」、脳卒中患者で実証

 大下 淳一=日経デジタルヘルス

出典:日経デジタルヘルス 2015年1月22日(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

講演する左村氏
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 CYBERDYNEのロボットスーツ「HAL」を、術後間もない急性期脳卒中患者の下肢のリハビリに活用する――。そんな試みの結果が明らかになった。下肢の麻痺が軽いほど、効果は大きいという。回復期のリハビリにHALを使う事例は増えているが、急性期患者に用いた事例は少なかった。

 「第54回 日本定位・機能神経外科学会」(2015年1月16~17日、都市センターホテル)で、福岡大学 医学部 脳神経外科の左村和宏氏が発表した。講演タイトルは「急性期脳卒中患者に対するロボットスーツHAL訓練の有効性の検討:下肢運動麻痺の重症度からの解析」。

手術翌日から利用

 左村氏らのグループは2011年9月に福祉用HALを導入し、2014年7月までに106例のリハビリに利用した。このうち、下肢運動麻痺を伴う急性期脳卒中(脳血管障害)患者63例に対する結果を報告した。HALによるリハビリを手術翌日から始めたケースも含む。

 HALの効果を検証するに当たり、同氏らは下肢運動麻痺の重症度に着目。その指標であるブルンストロームステージ(Brunnstrom Stage、I~VIの6段階で数字が小さいほど麻痺が重い)ごとに、HALによるリハビリの効果を調べた。具体的には、運動の自立度の指標であるBI(Barthel Index)とFIM(functional independence measure)が、HALによるリハビリの前後で有意差をもって変化するかどうかを、リハビリ前のブルンストロームステージ別に調べた。

 HALによるリハビリは平均で3.9回実施。まずは膝を動かし、その後に座位・起立を訓練。次いで立位でバランスを取り、歩行訓練を行うという手順を踏んだ。

1回で効果が表れるケースも

 検証の結果、BIはブルンストロームステージがIII、V、VIの患者、FIMはIIIの患者で有意に改善した。ブルンストロームステージがVとVIの患者では、10m歩行における歩行速度が高まり、歩数は減ることも分かった。すなわち「歩行のバランスが改善した」(左村氏)。

 これらの結果は、ブルンストロームステージがIII以上、すなわち麻痺が軽い場合にHALによるリハビリの効果が大きいことを示す。わずか1回のリハビリで効果が見られたケースもあったという。

 一方で「麻痺が重いほどHALの有用性は低下する」(左村氏)。麻痺が重い場合には、HALが運動補助にあたって利用する生体電位が弱まるためと考えられるという。こうしたケースでは「事前の運動訓練によって生体電位を産出できる状態にすることで、HALによるリハビリの効果が期待できる」(同氏)。

この記事は、日経デジタルヘルスからの転載です。
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