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国立がん研究センターがIVRセンターを開設

癌治療領域におけるIVR治療のエビデンス集積を目指す

 加納亜子=日経メディカル

出典:日経メディカル 2014年12月11日(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

国立がん研究センター中央病院IVRセンター長の荒井保明氏。

 国立がん研究センターは12月10日、中央病院(東京都中央区)にIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)センターを開設したこと を発表した。癌治療に特化した施設として、他院からの紹介患者も受け入れる。

 IVRとは、X線やMRI、CTなどの画像診断装置を確認しながらカテーテルなどで行う血管内治療のこと。小さな切開部位で治療ができるため、循環器領域を中心に注目が集まっている。

 国内にもIVRセンターを持つ医療機関は複数あるが、欧米に比べてIVRの認知度はまだ低い。国立がん研究センター中央病院では、これまでにも癌患者に対するIVRを年間4000件実施してきたが、原則として同病院の患者のみを対象としていた。

 こうした背景から、「国内では特に癌治療や症状緩和にIVRを十分に活用できていないと感じている。IVRによる治療のメリットをより広める必要性も感じており、センターを開設することとなった」とIVRセンター長に就任した国立がん研究センター中央病院長の荒井保明氏は説明した。

 加えて、他のIVRセンターと情報共有を図りながら臨床試験の困難な緩和医療でのIVRのエビデンスを集積し、世界に向けて多くの情報を発信し、IVRによる癌治療や緩和ケアの国内普及を目指すという。

 さらに、同センターの設置は、12月9日に発表された東京や神奈川など「東京圏」の国家戦略特区の区域計画の素案で、国立がん研究センターがIVRなどの低侵襲癌治療、分子標的薬などを用いた個別化医療を行うことが示されたことも関わっているようだ。

 国立がん研究センター理事長の堀田知光氏は「IVRの治療には、海外の機器を国内ですぐに使えないというデバイスラグの問題を抱えている。国家戦略特区の区域計画で当院の癌に対するIVR治療が取り上げられた。IVRに用いる器具はセンターからの持ち出しとなるとは思うが、治療自体は通常の保険診療での治療と併用できるようになる可能性がある」と話している。

新設されるIVRセンターの設備を説明する同病院放射線診断科の曽根美雪氏。

 なお、同センターは対応可能なIVR治療として、以下の項目を挙げている。類似した病態に関しては問い合わせが必要となる。

(1)抗癌IVR
・各種癌に対する経動脈的カテーテル治療
・肝腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法
・腎癌に対する経皮的凍結療法
・肺腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法(保険適用外)

(2)緩和的IVR
・難治性腹水に対する腹腔-静脈シャント造設術(デンバーシャント)
・有痛性骨腫瘍に対する経皮的骨形成術(椎体以外の病変にも対応)
・難治性消化管通過障害に対する経皮的経食道胃管挿入術(PTEG)。イレウスチューブの留置も可能
・有痛性腫瘍に対する経皮的ラジオ波凝固療法もしくは血管塞栓術
・上/下大静脈症候群に対する大静脈ステント留置術
・胆道系ドレナージ・ステント留置術(腹水貯留、分離型胆管閉塞など治療困難例にも対応)
・腎尿路系ドレナージ・ステント留置術
・消化管ステント留置術 (内視鏡的留置困難例や輸入脚症候群などの治療困難例を含む)
・経皮的針生検(深部病変や播種病変等の、生検困難例を含む)
・内臓神経ブロック、腹腔神経叢ブロック

(3)その他
・中心静脈ポート留置術
・バッド・キアリー症候群に対する血管内治療
・門脈圧亢進症に対する血管内治療

この記事は、日経メディカルからの転載です

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