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厚労省が患者申出療養の枠組み案

来年の通常国会への法案提出に向けて中医協に提示

 豊川琢=日経ヘルスケア

出典:日経メディカル 2014年10月6日(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 厚生労働省は11月5日、中央社会保険医療協議会(中医協)(会長:国立社会保障・人口問題研究所所長の森田朗氏)の総会を開催し、「患者申出療養(仮称)」の枠組み案を示した。委員間で詳細な部分について意見に相違があったものの大筋で合意。厚労省は10月7日の社会保障審議会・医療保険部会で同案を提示し、了承が得られれば、来年の通常国会に法案を提出したい考えだ。

保険外併用療養費制度の新たな仕組み

 「患者申出療養」は、今年6月に政府の規制改革会議が答申に盛り込んだもの。保険外併用療養費制度の新たな仕組みとして創設する予定で、困難な病気を患う患者からの申し出を基に、国内未承認薬や適応外の医薬品を従来よりも迅速に保険診療と併用できるようにする。将来の保険収載を目指すことが前提のため、明らかに疾病などの治療とは言えないものを除いて、一定の安全性・有効性を確認できるものは対象とする方針だ。

 厚労省が示した枠組み案では、患者申出療養として初めて行う(前例のない)治療の場合、患者は臨床研究中核病院あるいは窓口機能を持つ特定機能病院に申し出る。特定機能病院については、その申し出を受けて臨床研究中核病院に共同研究の実施を提案。申し出に先立ってかかりつけ医などは、患者が治療の安全性や有効性を理解できるよう支援する。臨床研究中核病院などが患者の申し出た治療ができない場合は、対応可能な医療機関に紹介する。

 その後、臨床研究中核病院が治療の実施が可能と判断したら、治療の実施計画や安全性・有効性のエビデンスなどの書類を国に提出。国は、有識者会議においてこれら書類の妥当性を検証し、原則6週間で治療実施の可否を判断する。医学的な評価が分かれるなど、6週間で判断できない場合は全体会議を開催して審議する。

 国が実施可能と判断すれば、患者から申し出を受けた臨床研究中核病院や特定機能病院で治療。患者の身近な医療機関でも、最初から協力医療機関として申請されていれば実施できるようにする。

 最終的に患者申出療養の対象となった医療や実施できる医療機関名はウェブサイトで公開するほか、国は少なくとも年1回、臨床研究中核病院から実績などの報告を求めることとした。

対象となる医療のイメージは3タイプ

 一方、患者申出療養として既に前例があるものに関しては、臨床研究中核病院が国の示す指針を基に、実施を予定している医療機関の体制を個別に審査。申請から2週間で実施の可否を判断する。厚労省は、患者申出療養を手掛けられる協力医療機関をできるだけ拡大するよう臨床研究中核病院に要請する方針だ。また、実施計画対象外の患者からの申し出については、臨床研究中核病院が安全性や倫理性を検討した上で国に申請し、国が有識者会議を開いて個別に判断する。

 同省は同日の会議で、患者申出療養の対象となる医療のイメージも提示。(1)先進医療の実施計画対象外の患者に対する療養、(2)先進医療として実施されていない療養、(3)現在行われている治験の対象とならない患者に対する治験薬などの使用――を挙げた。

 同省の案を受けて委員間で意見が割れたのは、患者申出療養の「前例がある」と見なす判断基準。慶應大学総合政策学部教授の印南一路氏が、「国が申請を承認した時点」としたのに対し、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「承認をした上で治療が実施された時点にすべき」と主張した。

 こうした課題に加えて、副作用が発生した際の対応といった詳細な運用面に関しては、制度が施行されるまでに中医協で議論していく予定。同日の会議ではこのほか、「患者申出療養という名称だと、有害事象などが起きた際に患者に責任があると受け取られる」(日本労働組合総連合会総合政策局長の花井圭子氏)といった声が上がった。

この記事は、日経メディカルからの転載です。

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