まつ毛を伸ばし濃くする睫毛貧毛治療薬が登場
自由診療下での提供、1本2万円前後が相場
小板橋律子=日経メディカル
出典:日経メディカル 2014年10月30日(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

国内で行われた臨床試験の結果では、ビマトプロスト投与開始2カ月後から改善を自覚する被験者が有意に増加しており、4カ月後には、8割弱でまつ毛の長さ・濃さが改善していた(図1)。
同薬剤がどのような機序でまつ毛の成長を促進しているのかその詳細は不明だが、毛周期における成長期を延長することで成長を促進すると考えられている。まつ毛は頭髪と比べて成長期が短く、頭髪が2~6年の成長期を有するのに比べて、まつ毛の成長期は1~2カ月と考えられている。加えて今泉氏は、「休止期から成長期への移行を促進している可能性もある」と語る。
海外で行われた臨床試験において、副作用の発現率は約25%だった。主な副作用には、結膜充血、眼瞼掻痒、眼瞼紅斑、点状角膜炎、皮膚色素過剰などがある。ビマトプロストは、付着部位に色素沈着を生じるなど、適正に使用しないと副作用を生じるリスクがある。グラッシュビスタには、薬剤を上眼瞼辺縁部の睫毛基部に塗布する専用のブラシ(アプリケータ)が添付されており、不要な部位への薬剤付着を防ぐ工夫がされている(前ページ写真1、2)。
まつ毛は生え替わるため、使用を中断すれば、伸びたまつ毛はまた短くなる。今泉氏は、「中止後2カ月程度は効果が持続していると感じるかもしれないが、それ以上中断するとまつ毛が抜け、短くなるだろう」と話す。まつ毛を長くした場合は基本的に継続して使用する薬剤との認識だ。
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