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おもな検体検査:血液生化学検査

血清鉄(Fe)

けっせいてつ

基準値

男性:60~200μg/dl

女性:40~160μg/dl

(比色法)

血清鉄とは

 体の中の酸素を組織へ運搬するヘモグロビン(参照)の構成因子のひとつ。

子宮に筋腫ができて出血が続くと鉄が減少する(左図)。白血球ががん化してできた白血病細胞は骨髄で増殖、赤血球造血を障害するため、鉄が利用されずに高値に(右図)
貧血の原因や白血病などを調べる検査です。高値でも低値でも異常が考えられるので、さらに検体検査や画像検査などを行います。

出血性貧血などで低値に

 貧血の原因を調べるときに行う重要な検査です。

 胃や腸の潰瘍やがん、子宮筋腫などで、体内から多くの血液が失われる(吐血、下血、不正性器出血)と強い貧血(出血性貧血)となり、同時に鉄分も失われて血液中の鉄は低値になります。

 食物からとった鉄分は十二指腸で吸収され、血液中では蛋白(トランスフェリン)と結合し、骨髄へ運ばれてヘモグロビン(参照)をつくるもとになり、さらに、これをもとに赤血球がつくられます。

 十二指腸での鉄分の吸収が悪いときや食事の内容が偏っていると(偏食)、血液中の鉄が不足し、その結果、ヘモグロビンの合成が低下して貧血がおきてしまいます。若い女性に多くみられる鉄欠乏性貧血になるわけです。

溶血性貧血、白血病などで高値に

 赤血球(参照)の寿命は約120日で、骨髄でつくられて、肝臓や脾(ひ)臓などで壊されます。

 赤血球が何らかの原因で、寿命以前に壊されることを溶血といいますが、溶血性貧血がおこると血球の破壊がおきて、ヘモグロビンが血液中に出てきて、鉄は高値になります。

 肝硬変では、肝臓が硬くなって肝臓への血液の流れが悪くなり、かわりに脾臓への血液の流れが増え、脾臓で異常に血球が破壊され、血液中の鉄が高値を示します。

 また、骨髄で赤血球がつくられなくなる白血病や再生不良性貧血の場合は、原料としての鉄が利用されないため、血液中で高値になります。

女性のほうがやや低い傾向に

 血清を用いて、自動分析器で測定します。女性のほうが、男性よりやや低い傾向にあります。生理後は低値になります。

 検査当日の飲食は普通にとってかまいませんが、鉄は日内変動があり、午前中は高く、午後は低くなります。

高値でも低値でもくわしく検査

 高値でも低値でも異常です。鉄の代謝に関係する血液中蛋白(総鉄結合蛋白やフェリチン、トランスフェリン)をはじめ、種々の血液検査や便潜血反応(参照)、上部消化管内視鏡(参照)、腹部超音波(参照)、腹部CT(参照)、また、婦人科のチェックなども必要なことがあります。

 さらに、骨髄の一部を採取して造血能力を調べる検査(骨髄穿刺(せんし))が必要なこともあります。

疑われるおもな病気などは

◆高値→溶血性貧血、再生不良性貧血、白血病、肝硬変、サラセミアなど

◆低値→鉄欠乏性貧血、出血性貧血、慢性感染症、悪性腫瘍など

▲医師が使う一般用語:「てつ」=血清鉄の略

◎著作権 日経Gooday(グッデイ)の「病院で受ける検査事典」検索サービスは、「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」(発行:法研)をデータベース化したものです。掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

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