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おもな検体検査:血液生化学検査

血清蛋白分画

けっせいたんぱくぶんかく

基準値

アルブミン  :60~70%

α1-グロブリン:2~3%

α2-グロブリン:5~10%

β-グロブリン:7~11%

γ-グロブリン:10~20%

前項の血清総蛋白(→参照)の内容を種類分けする検査です。病気によって、特徴的なカーブを描きます。

病気の種類や重症度を判定する検査

 前項の血清総蛋白(→参照)の検査で異常がみられたときや肝機能障害、ネフローゼ症候群、骨髄腫などが疑われるとき行う検査で、電気泳動法という方法で、血清総蛋白の内容をさらにくわしく種類分け(分画)して分析します。

 下の図①は、電気泳動法による血清蛋白分画の正常な状態です。

 血清中の蛋白は、アルブミンとグロブリンです。血清蛋白に電気を通すと、アルブミンはグロブリンより陽極(+)側に移動し、グロブリンは陽極側からα1、α2、β、γの4つに、あわせて5つのグループに分画されます。

 これらの蛋白は、それぞれ特有の役割を果たし、病気によって数値が特徴的に変動するため、病気の種類や重症度を判定できます。

肝機能障害、ネフローゼ症候群、骨髄腫では特徴的な分画

 慢性の肝機能障害(肝硬変、慢性肝炎)になると、肝臓の蛋白合成能力が低下するため、アルブミンの比率が低くなり、免疫グロブリン(Ig)のAとMが増加します。

 免疫グロブリンとは、抗体活性をもつγ-グロブリンのことで、現在A、M、G、E、Dの5つが知られていますが(参照)、慢性の肝機能障害があると、そのうちのIgAとIgMが増加するため、特徴的なβ-γブリッジが形成されます(大きなピークをつくる)。

 ネフローゼ症候群では、腎臓からアルブミンが漏れ出て減少し、これを補うために分子量の大きなα2とβ-グロブリンが上昇した分画比になります。

 骨髄腫では、Mピーク(モノクロナルピーク)と呼ばれる鋭いピークが特徴的です。

 骨髄腫は、骨髄中に存在する免疫グロブリンをつくる形質細胞が腫瘍化したもので、この腫瘍化した形質細胞は、ある特定の免疫グロブリンしかつくりません。そのため、鋭いピークを形成するのです。

病気に応じて生活指導、治療を

 この検査で異常分画となった場合には、血清総蛋白量を追跡するほうがよく、頻繁に蛋白分画を測定する必要はありません。

 異常分画で推測された病態・病気に応じた生活指導、治療を行います。

アルブミンが異常に低下すると浮腫になる

 血清蛋白は、浸透圧を調節しています。とくに、アルブミンは大きな役割を果たしているため、アルブミンが2g/dl以下となると血液中の浸透圧が低下して、調節のために水分が組織に移行します。このように、組織に水分が貯留すると浮腫(ふしゅ)(むくみ)となり、腹腔内にたまると腹水になります。肝硬変などで腹水がたまる要因のひとつは血清蛋白の低下のためです。

■図①→正常な状態
■図②→肝硬変
■図③→ネフローゼ症候群
■図④→骨髄腫
疑われるおもな病気などは

◆分画の変化→急性炎症、慢性炎症、骨髄腫、ネフローゼ症候群、慢性肝機能障害など

▲医師が使う一般用語:「たんぱくぶんかく」もしくは「ぶんかく」

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