気管支内視鏡検査
きかんしないしきょうけんさ


肺・気管支病変の
①診断:生検、擦過、洗浄
②治療:ポリープの切除、気道内異物の除去([A])、レーザー照射([B])、止血、薬物局所注入など
肺がんの診断に最も重要な検査
胸部単純X線撮影(→参照)や喀痰(かくたん)細胞診(→参照)、胸部CT(→参照)で肺がんが疑われるとき行う最終検査です。
気管支を観察しつつ、がん細胞らしき病変があれば、その場で病変の一部を採取したり(生検(せいけん))、ブラシで病変を擦り取ったり(擦過(さっか))して、その細胞を病理検査し、がんの確定診断とします。その他、肺結核、サルコイドーシス、肺繊維症などの診断や、血痰、喀血時の出血部位の確認などにも、この検査が行われます。
がんがあれば、内腔が狭くなる
内視鏡の中はグラスファイバーでできており、気管支内腔に光を当てると、その反射光がファイバーを伝わり、肉眼で観察できるようになっています。
がんが気管を圧迫すると内腔が狭くなってみえ、がんが内腔に浸潤すれば表面に凹凸(おうとつ)の塊がみられ、表面からの出血も観察されます。
体の力を抜いて検査を
検査着に着替え、筋肉注射(唾液の分泌を抑える薬と鎮静剤)と、咽頭(いんとう)麻酔(スプレーなど)をします。喉(のど)が少しはれぼったくなります。
先端にレンズのついた太さ5mm程度のファイバースコープを口から入れ、気管へ通して観察します。喉を通るとき、一瞬息がつまるような吐き気をもよおすことがありますが、すぐに落ち着きます。むせて嘔吐(おうと)しないようにします。検査中に咳(せき)が出るようなら、麻酔を追加するので心配はいりません。
検査は外来通院でも受けることができ、生検や擦過などを含めても約30分で終了します。検査を上手に受けるには、体の力を抜き、医師の指示通りにすることです。
検査当日の朝は絶食
検査前日の夕食は普通ですが、当日の朝は絶食です。糖尿病薬以外の常用薬は飲んでもかまいません。
咽頭表面麻酔をすると、息苦しくなることがあります。何らかのアレルギーがある人は、事前に申し出てください(→参照)。
検査後は、30~60分の安静が必要です。帰宅時の車の運転は禁止です。検査後2時間は、飲食は禁止。これは、喉の麻酔で誤嚥(ごえん)しやすく、肺炎(嚥下性肺炎)になる危険性があるからです。タバコもいけません。検査後数時間は、痰に血液が混じることがありますが、心配ありません。血痰が強くなったら、連絡してください。
▲医師が使う一般用語:「ブロンコ」=broncho=気管支。または「きかんしファイバー」=ファイバーはfiberscope(内視鏡の一種)の略