フィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さんの新連載が始まりました! オリンピック選手や青山学院大学駅伝チームの指導もしている中野さんが、動画でさまざまなトレーニングやストレッチなどを実演します。今回は、スマホの使いすぎが原因と考えられる頑固な肩こりを解消するマッサージとストレッチです。

スマホが原因? 頑固な肩こりを解消したい!
あけましておめでとうございます。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一です。今月から新しく連載が始まりました。よろしくお願いします。
新連載の特徴は、さまざまな体の悩みを解決するためのトレーニングやストレッチを、私が動画で実演してご紹介することです。
今回のテーマは、「頑固(がんこ)な肩こりを解消する裏ワザ」。早速イントロの動画をご覧ください。
肩こりの原因は、肩や首の周辺の筋肉が硬くなり、血行が悪くなること。これを解消するためには、肩や首の筋肉をほぐすために腕をぐるぐる回す「動的ストレッチ」が有効です(参考記事「慢性のつらい肩こりも撃退! 肩をぐるぐる回す動的ストレッチ」)。
また、特に女性に多いのが、筋力不足が原因で起きる慢性の肩こり。筋力が不足すると、特定の筋肉に負担がかかり、その筋肉が緊張状態になり、その結果、血行不良が起きやすくなるのです。その場合、筋トレによって肩回りの筋肉を鍛える必要があります(参考記事「もはや女性が『筋トレしない理由』はない」)。
ところが、動的ストレッチや筋トレをやっても、なかなか解消しない頑固な肩こりというのもあります。もしかしたらその肩こりは、「ヘッドフォワード」が原因かもしれません。
ヘッドフォワードとは、文字通り頭が本来あるべき位置よりも前に来ている姿勢を指します。今、子どもから大人まで、ヘッドフォワードの人が増えています。なぜかというと、長時間にわたってスマートフォン(スマホ)やパソコンを操作しているからです。
スマホの画面などをのぞき込む姿勢が長時間続くと、頭の位置が前に出たまま姿勢が固まってしまうのです。そのため、ヘッドフォワードは別名「スマホ首」とも呼ばれています。
ヘッドフォワードの人は首回りの筋肉が硬くなることで、頭を正しい位置に保てなくなります。
頭の重さは体重の約10%あるといわれ、この重さを首の骨である頸椎や、首・肩・背中の筋肉が支えています。しかも、頭が前に出るほど、首にかかる負荷は増加します。頭の位置が2.5cm前に出るだけで、首には約4kgもの重さが余計にのしかかる計算になるのです。
頭の重さを支え続ける首・肩・背中の筋肉は、当然、過剰な負荷により緊張状態が続き、血行不良を起こします。その結果、慢性的な重い肩こりが起きてしまいます。