認知症の主犯の1つ「酸化」 50歳からの対策でリスクを減らす
第1回 多くの酸素を消費する脳は、酸化ストレスを受けやすい
田中美香=医療ジャーナリスト
アルツハイマー病の発症まで25年、予防のチャンスはある!
一般的に、アミロイドβの沈着などの脳の変化は時間をかけて少しずつ生じ、25年かけてアルツハイマー病の発症につながると考えられている。例えば75歳で認知症を発症する人の場合、脳の変化は50歳ころから起きているわけだ(下図)。明らかな認知症と診断される前段階として、軽度認知障害(MCI)と呼ばれる、「認知機能にある程度の障害が見られるものの日常生活には支障がない状態」になることが多いため、その手前で1次予防、その後にも2次予防のチャンスはある。