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コロナ第6波に備え、医師が伝えたい「正しい知識」と「体調管理」

 大谷 義夫

 南アフリカで発見された新型コロナウイルスの変異型である「オミクロン型」が早くも日本で確認され、医療機関では「第6波」への備えが進められている。

 新型コロナの診療は体力勝負だ。それは、発熱外来を設置した街のクリニックでも同様だ。東京のJR池袋駅にほど近い池袋大谷クリニックでは、「第5波」のとき週に100人以上の新型コロナ疑い患者を診察したという。

 次から次へと来る患者の診察を乗り切ることができたのは、「徹底した体調管理のたまもの」だと語るのは、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏。大谷氏は、医師になってから30年以上、風邪ひとつひいていないという。新刊書籍『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理 コロナ対応版』を執筆した大谷氏に、第6波への備えとウィズコロナ時代の体調管理について聞いた。

池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏
池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏

発熱外来で意識を失う患者も… 第5波の惨状

第5波では相当な数の新型コロナ疑い患者を診察したと聞きました。

大谷義夫氏(以下、大谷):私のクリニックでは、週に100人以上の新型コロナ疑い患者を診察し、ピーク時には陽性率が50%にも達しました。最終的には、第5波だけで276人の方が陽性となり、ワクチン接種が完了していた方の「ブレイクスルー感染」のケースは11人でした。

 とはいえ、発熱外来に特化していたわけではなく、定期的に通院される喘息(ぜんそく)や慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の患者さんも診察しなければなりません。時間を区切り、発熱外来と通常の診療を分けた結果、必然的に1日の診療時間が長くなり、夜の10時や11時に新型コロナ疑いの患者さんを診察することもしょっちゅうでした。

2人に1人が陽性になる、というのは相当厳しい状況だったと思います。診察ではどのような苦労がありましたか?

大谷:クリニックの待合室で患者さんが意識を失い、大の字に倒れた状態でPCR検査の検体をとったこともありました。レントゲン室で撮影中に患者さんが意識を失って倒れたときは、その頭部が床にぶつかる寸前に私が左手で受け止めました。左手を打撲したのでパソコン操作ができず、事務スタッフに手伝ってもらいながら紹介状を作成する事態になりました。

 陽性になっても入院の受け入れ先がなかったのはつらかったです。自宅療養になった患者さんの酸素飽和度が低下し、私が緊急搬送を要請したものの、病院に空きベッドが見つけられず、仕方なく救急隊が帰ってしまったことも一度や二度ではありません。私が手配した在宅用の酸素濃縮器を使って自宅で療養を続けざるを得なかった方たちは、どれほど不安だったことでしょう。

まさに「医療崩壊」ですね。診察する側としても、体力的に大変だったのではないでしょうか。

大谷:この1年は、ずっと緊張が続いていました。第3波のため年末年始に発熱外来を開き、第4波のためにゴールデンウイークがつぶれ、第5波のために夏季休暇もなし。協力してくれたクリニックのスタッフや私の家族には感謝したいですね。9月には少しまとまった休みがとれたので、妻と一緒に人間ドックに行ってきました。

 診察で心がけていたことは、コロナ禍以前から変わりませんが、とにかく体調管理を徹底してのぞむことです。先が見えない状況に陥って心身に不調をきたした方も少なくなかったと思いますが、私の場合、休んでしまうとほかに診察する人がいないので、日々やるべきことをやって体調を整えることが何よりも大切だったのです。

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