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コロナ第6波に備え、医師が伝えたい「正しい知識」と「体調管理」

 大谷 義夫

「マスク着用」はしばらく必要

確かにコロナ禍では、外出自粛にテレワークの推進で体を動かす機会が減り、体調を崩した人も多かったと聞きます。これから経済活動と感染拡大防止を両立する「ウィズコロナ」では、体調管理の面で何が重要になってくるでしょうか。

大谷:手洗い、手の消毒、マスクの着用といった感染対策は、これからも続けていくことになるでしょう。現在、日本では感染拡大がかなり抑えられているように見えますが、これはやはりみなさんが基本的な感染対策を続けているからだと思います。こうした感染対策は、これからの季節に増えてくる風邪やインフルエンザの予防にもなるので、続けていきたいですよね。

 また、新型コロナワクチンの3回目の接種が、医療従事者を対象にまず始まりましたが、ご自分の番が来たときにはきちんと接種することが大切です。第5波で感染したのは、ほとんどがワクチン未接種あるいは1回のみ接種の方でした。接種完了していたのに感染した方も、私のクリニックでは11人いましたが、いずれも軽症または無症状でした。ワクチンのメリットは明らかですので、まだ接種していない方はぜひ接種することをお勧めします。

 「自分はアレルギー体質だから、接種をためらっている」という方もいますが、気管支喘息(ぜんそく)、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎や花粉症などのアレルギーの方でも問題なくワクチンを打てます。新型コロナのmRNAワクチンには「ポリエチレングリコール」が含まれていて、米国の疾病予防管理センター(CDC)は、このポリエチレングリコールに対して重いアレルギー反応を起こしたことがある人にはmRNAワクチンの接種を推奨していません。しかし、ポリエチレングリコールにアレルギーがある方というのは非常にまれなのです。

現場も期待する新型コロナの「内服薬」

ワクチン以外にも、新型コロナの治療薬の選択肢が広がってきたのは心強いですね。

大谷:思えば第1波や第2波の頃は、治療薬もなかったため、医師も手探り状態でした。それが、中等症から重症の患者さんには抗ウイルス薬の「レムデシビル」、ステロイド薬の「デキサメタゾン」を使えるようになり、軽症の方には、重症化を防ぐ「抗体カクテル療法」が行えるようになりました。また、軽症者用の点滴治療薬として、英国グラクソ・スミスクライン(GSK)が開発したモノクローナル抗体「ソトロビマブ」も認可されました。

 これらの薬に加え、世界中が期待しているのが軽症者用の「内服薬」です。ファイザー、メルク、ロシュ、塩野義製薬などが開発しており、メルクはすでに新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」について、18歳以上の使用を条件に英国で承認を得ており、FDAには緊急使用許可を申請しています。ファイザー、塩野義製薬も臨床試験の最終段階を迎えており、これに続く見込みです。ファイザーの飲み薬は、入院や死亡のリスクを約9割減らせたという臨床試験のデータが公表されています。

内服薬のインパクトは大きいと考えられますか?

大谷:内服薬は点滴で投与する必要がなく、軽症の患者さんにクリニックで処方して、その後の重症化が防げるのであれば、新型コロナは今よりずっと「怖い病気」ではなくなると思います。

 かつてインフルエンザも、タミフルなどの内服薬が登場する前は、今よりも命にかかわる「怖い病気」であり、診察していても緊張感がありました。特に高齢者は、一歩間違えば命の危険があるため、細心の注意を払っていたのです。

 それが、タミフルなどの内服薬の登場で、多くの方がインフルエンザから早く回復するようになり、診察する側にも心の余裕が生まれました。それと同じ現象を、新型コロナの内服薬にも期待しているのです。

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