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コロナの家庭内感染を防ぐ切り札は「家でも◯◯◯」

肺炎を正しく恐れる(2)

 大谷義夫=池袋大谷クリニック院長

 呼吸器のスペシャリストとして肺炎と向き合って30年。池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんは、新刊『肺炎を正しく恐れる』(日経プレミアシリーズ)で、コロナから私たちの命と健康を守る方法を徹底的に解説します。

 自身のクリニックで毎日のように新型コロナ感染疑いの患者を診察し、その豊富な臨床経験をもとに、テレビ等での分かりやすい情報発信でも定評のある大谷さん。この連載では、『肺炎を正しく恐れる』の内容をもとにしつつ、本では書ききれなかったエピソードも盛り込んでお届けします。今回は、家庭内感染の予防について。

家庭内感染が夏以降に急増!

写真はイメージ (c) Comaniciu Dan Dumitru-123RF

 前回、私がテレビ番組で「PCR検査の拡充」を訴えたところ、思わぬ事態を招いた件についてお話ししました。今回は、よく質問を受ける「家庭内感染を防ぐ方法」についてです。

 日本で新型コロナウイルスに感染した人が、どの場所で感染したのかを調べると、特に2020年の夏以降に増えているのは「家の中」です。

 このウイルスは、発熱や咳などの症状が出る前から人にうつしてしまうので、一緒に住んでいる家族に感染させてしまうのは、ある意味仕方のないことなのかもしれません。

 発症してから、慌てて本人を隔離して、家の中を消毒しても、ほかの人にうつってしまった後だったかもしれないのです。

 ここで、「濃厚接触者」の定義を確認しておきましょう。よく聞く言葉である濃厚接触者とは、感染者が発症する2日前以降に、同居あるいは、車内などで長時間一緒だった人、近い距離で感染予防策のないまま15分以上接触があった人などと決められています。

濃厚接触者の定義

感染者の発症2日前以降に次の範囲で接触した人を濃厚接触者という

  • 同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等)があった人
  • 適切な感染防護なしに感染者を診察、看護もしくは介護した人
  • 気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い人
  • 1m程度の距離で、感染予防策なしで15分以上の接触があった人

厚生労働省『新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第2.2版』より。

 つまり、家族の誰かが新型コロナウイルスに感染していることが分かると、一緒に住んでいる人はそのまま濃厚接触者となり、すぐにPCR検査の対象となることが分かります。

基本は手洗い、消毒だが…

大谷義夫著『肺炎を正しく恐れる』(日経プレミアシリーズ)

 家庭内でのクラスター感染を予防するのはなかなか難しいことかもしれませんが、方策はいくつか考えられます。

 まず、アルコール消毒手洗いを徹底すること。玄関先での手指のアルコール消毒、ドアノブなどよく触れるところの消毒、そして食事の際に感染することも考えられるので、食卓もきちんと消毒しましょう。

 食卓に座るときは、可能ならば向かい合わせに座るのではなく、斜めに座るといいでしょう(*1)。食事中は飛沫を飛ばさないよう、大きな声での会話は控えましょう。やや寂しい感じがしますが、当面の家庭内感染防止のための生活様式です。

 なお、最近、我が家では、ダイニングとリビングに分かれて食事をとるようにしています。

*1 理化学研究所や神戸大などが2020年10月に公表したスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションによると、横に座った人とマスクを付けずに話した場合、飛沫が多く届く可能性があるという結果も出ている。

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