一つは、エクリン腺から汗が出る穴(汗孔)を塞いでしまう治療だ。従来からある方法は塩化アルミニウムという成分を含んだ制汗剤を毎日塗布する。塩化アルミニウムは汗の成分と結びつくことで固まりを作り、汗の通り道を塞いでしまう。患者の半分で症状をコントロールできるが、刺激があり、多くの人が皮膚の副作用(皮膚炎、紅斑、かゆみ、湿疹など)を起こすため、ステロイド外用薬を併用することも多かった。また、保険で治療のできる医薬品としては発売されておらず、薬局で調剤してもらう必要がある(薬局製造販売医薬品)。そのため近隣の薬局で対応できない場合があるという課題もあった。