日常のちょっとした動作も、姿勢が崩れた状態で行うと腰を痛めたり、姿勢をさらにゆがめたりする原因に。「×」ばかりの人はいませんか? シーン別にそれぞれの動作を見直してみよましょう。今回は日常シーンに多い「立つ」「立ち上がる」「座る」に着目。立つ時、立ち上がる時は背筋を伸ばし、つま先は真っすぐに。座る時は骨盤が後ろに倒れないようクッションをうまく活用しましょう。姿勢治療家の仲野孝明さんと柔道整復師でフットマスターの新保泰秀さんに聞きました。(前編はこちら)
【物を持ち上げる】しゃがんで背中が曲がると、お腹に力が入らない
「重い荷物を持ち上げた瞬間」も、ぎっくり腰のリスクが高い。お腹に力が入った状態で持ち上げないと、体重と荷物の重さが集中的に腰にかかるからだ。持ち上げる前に腰を落として、背中を伸ばすよう心がけよう。

背中を伸ばすと、お腹に力が入る
- 腰を落として、骨盤を安定させ、上半身の動きがぶれないようにする。深く膝を曲げて、曲げたひざを伸ばしながら、荷物を体に沿わせるようにして、ゆっくりと持ち上げると、腰への負担がかなり小さくなる。

背中が曲がり、お腹に力が入っていない(左イラスト)
- 腰をしっかり落としても、背中が曲がっていたらNG。背中を曲げると、お腹に力が入っていないために重心が定まらず、荷物を持ち上げた瞬間に腰に負担がかかる。試しに、この姿勢をとってお腹に触れると、力が抜けてお腹が軟らかくなっていることが分かるはずだ。
しゃがまないと、腰を痛めることに(右イラスト)
- 膝を伸ばしたまま腰だけを曲げて荷物を持ち上げようとするのは、最悪といってもいい。軽そうな荷物を持ち上げるときも、油断をしないでひざを十分に曲げ、腰を落とした姿勢になることが大切だ。