手術療法との併用で良い結果が出た例も
今後、PRP療法の最適な適応を検討する臨床研究も進んでくるだろう。手術療法の一つである「骨切り術」との併用もその一つだ。
例えば、O脚の人は膝関節の内側ばかりに力が加わるため変形性膝関節症が悪化しやすい。そうして変形性膝関節症が悪化したO脚の人が「また楽しくゴルフをしたいので、症状が最も改善する可能性のある治療を行ってほしい」と相談してきた際に齋田特任教授が行ったのは、まず「高位脛骨骨切り術」(骨切り術)という手術で骨の傾きを修正してO脚を改善することだった。手術により膝にかかる力を分散させ、傷んでいる軟骨への負担を減らしてからPRP療法を行うことで、手術だけの場合より確実に痛みなどの症状を改善できる可能性があるという。