疲れているときの休み方次第で、疲労はスムーズに回復することもあれば、持ち越してしまうこともある。リフレッシュしたくて週末に遠出したのにかえって週半ばまで疲れを引きずる、というパターンを経験する人は多いかもしれない。「効率よく休むには、疲労レベルに合った休み方をする必要がある」と話すのは、元・陸上自衛隊心理教官で心理カウンセラーの下園壮太さん。第7回では、疲労レベルごとの休み方のヒント、睡眠のとり方のヒントを教えていただきます。

疲労レベルごとに休み方を変えよう
前回は、「休息のためには、自分が何をしたときにリラックスできるかを感じてみることが大切」ということを教えていただきました。「課題克服型」の人は、休みのときにもつい、この時間を有効に生かそう、などと頑張りすぎて、ますます疲れをためる、という悪循環になる、と。
下園さん そう、だから「お休み」は「お休み」のためにある、という基本を思い出してください。
元気なときは、楽器を練習したり、スポーツをしたりすることで、休みの充実感を得ることができます。ところが、疲れがたまっていると、好きなことがリフレッシュにならず、「なんでこんなに下手なんだろう」と、かえって疲れが増すときがあります。
下園さん 疲労の1段階、2段階、3段階で、休み方は変えないといけないんですよ(疲労のレベルについては第5回を参照)。たとえば、疲労の1段階は、「楽しめるゾーン」。どんなことでもいい、楽しめることをすることで、疲労を解消することができます。しかし、2段階では、大きくはしゃぐような休み方をすると、疲労は2倍になって跳ね返ってきます。そして、3段階になると、極力、消耗を抑えるような休み方をしなければならない。併せて、睡眠を重視しないことには疲労は改善しません。
段階ごとの休み方がある
○1段階
通常の疲労。休むことによって回復する
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楽しいことをしてOK
○2段階
うつっぽさが出てくるレベルの疲労。しかし、なんとか気合いでごまかすことが可能
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エネルギーを消耗するような、はしゃぐ休み方は逆効果。かえって疲労をためる。また、その方法に頑なにこだわる傾向が強まる(しがみつき)
○3段階
うつ状態。深刻な疲労。無力感や自責感、不安感が増大する
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刺激を避けて、これ以上の消耗を抑える。眠れるだけ眠る
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