脂質のとり過ぎには注意!
そもそも、宅配ピザが「不健康」だと思われる理由は何でしょう?
一番の問題は、先ほどの表にあるように、チーズなどに含まれる脂質の多さです。また、脂質が多いだけでなく、「狂った油」などの異名を持つトランス脂肪酸(*1)が含まれるのではないか、と心配する人もいます。実際、厚生労働省による調査(*2)でも、ピザやハンバーガーはトランス脂肪酸含有量が多い傾向があると報告されています。
*2 http://www.fsc.go.jp/sonota/trans_fat/iinkai422_trans-sibosan_hyoka.pdf
さまざまな研究から、トランス脂肪酸の摂取量が多いと、血液中の悪玉コレステロールが増加しやすくなり、心血管系疾患のリスクを高めてしまうことが明らかになっています。
そのため、WHO (世界保健機関)では、トランス脂肪酸の摂取を、総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告しています。
食品中のトランス脂肪酸含有量は世界的に減少傾向にありますが、ジャンクフードを食べる機会が多いアメリカでは、毎日の食事からトランス脂肪酸をとる機会が多いので、商品にその含有量を記載することが義務づけられ、「許容量」がきちんと決められています。
一方、日本の厚生労働省は、トランス脂肪酸の摂取許容量を決めていません。それは、日本人がトランス脂肪酸のリスクに無頓着だからというより、健康を害するほどの量をとっていないからです。
厚生労働省が発表するデータによると、日本人のトランス脂肪酸の摂取量の平均値は、総エネルギー摂取量の0.3%です(*3)。
さすがに、アメリカ人のように、週に何度もジャンクフードを食べたり、油をとりすぎる食生活を送っていれば問題があるかもしれません。ですが、米に味噌汁、そしておかずという日本の一般的な食生活を送っている人が、ピザを月に一度、あるいは2週間に一度食べるくらいなら、健康への影響は少ないと考えられます。
サイドメニューで栄養を補えばバッチリ!
ただし、栄養バランスから見ると、ピザだけ食べて終わり、では心配かもしれません。
ピザに含まれる主な栄養素は、炭水化物(小麦粉)、一部のビタミン類(トマトソースやトッピングの野菜)、たんぱく質(チーズ、肉、魚)、カルシウム(チーズ)です。逆に足りないものに、食物繊維、鉄分、ビタミンB群とビタミンCなどが挙げられます。
ですから、宅配ピザのほかに、サイドメニューでこれらを補えばOKなのです。しかも、「宅配ピザを頼むことに罪悪感がある」のなら、少し手間をかけて1品だけ作るというのはいかがでしょうか?
そこで、栄養士の方にお願いして、ピザの栄養を補うサイドメニューとして、「きのことワカメのオートミールスープ」を考案してもらいました。オートミールは食物繊維たっぷりで、ビタミンB群や鉄分などが豊富なのでお勧めです。
