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中野ジェームズ修一のカラダお悩み解消講座

自分の体は柔らかくならないと思っている人にトレーナーがする話

第5回 ストレッチのメリットを十分に理解すれば続けられる

 中野ジェームズ修一

 さらに、柔軟性の低下は、姿勢の悪さや、ケガの原因にもなります。

 体の表側と背側、左側と右側など、相対する筋肉の柔軟性がアンバランスだと、姿勢が悪くなり、老けて見えてしまいます。筋肉は硬くなると短く収縮し、硬いほうへと体が引っ張られるので、前に引っ張られると猫背に、後ろに引っ張られると反り腰になる、という具合です。

 これは、キャンプでテントを立てるときに、さまざまな方向からそれぞれ均等の力で引っ張られないと、支柱が真っすぐに立たず、テントの形がゆがんでしまうのと一緒ですね。

 そして、柔軟性の不足によって関節の可動範囲が狭くなると、歩いているときに十分に脚を上げられなかったり、足首の関節の曲げ伸ばしが足りず、転倒しやすくなります。

 また、柔軟性が不足した筋肉は硬く収縮しているため、強い力で一気に引き伸ばされると切れてしまいます。信号を急いで渡ろうとしたときや、子どもの運動会などで急にダッシュをしたときに、肉離れを起こす原因はここにあります。

 以上のことから、筋肉の柔軟性が向上すると、健康的で安全に動ける体になっていくことも分かっていただけたかと思います。繰り返しになりますが、運動不足を感じている相談者の方が「まずはストレッチから始めてみよう」と行動を起こしたことは、非常に良い選択なのです。

筋肉は「長くなるほど」柔軟性が増す

 それでは、本題の「ストレッチを続けていけば、本当に誰でも体は柔らかくなる」というお話をしましょう。

 柔軟性の高い筋肉というと、多くの人はゴムのように「ビヨーン」と伸びたり縮んだりするイメージを持つかもしれませんが、実はそうではありません。筋肉は「長くなるほど」柔軟性が上がるのです。

 筋肉は、筋線維という細胞が束になることで、構成されています。そして、筋線維はサルコメア(筋節)がつながって形成されたものです。筋線維を鎖、サルコメアを鎖の一つ一つの輪とイメージすると、理解しやすいと思います。

 そして、サルコメアを増やし、筋線維を長くすれば、筋肉の柔軟性は誰でも上がっていくのです。

 では、サルコメアはどうすれば増えるのでしょうか? その代表的な方法がストレッチなのです。

 ただし、サルコメアを増やすには正しい方法でストレッチを行う必要があります。ポイントは大きく分けて4つ。以下、一つずつ解説しましょう。

1 2~3カ月間は毎日ストレッチを行う

 毎日、ストレッチで、筋肉をグーッと引っ張り続けたとします。すると、「なぜ、毎日、こんなに筋肉を引っ張るんだ? 筋肉が切れてしまうじゃないか!」と、脳が反応し、体を守ろうとして、細胞分裂を起こし、サルコメアの数を増やします

 大事なのは、毎日、毎日、「早く筋肉を長くしてくれないと切れちゃうよ!」と信号を送り続けることです。1回だけ行っても脳は反応しませんし、週1回程度でも「あ、週1回のイベントね」と脳が判断し、サルコメアの数を増やそうとまではしてくれません。毎日、筋肉を伸ばし続けることで、約2~3カ月後にはサルコメアの数が増え、柔軟性の向上が実感できます。

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