効果に半信半疑だとストレッチは続かない
ストレッチを始める人のなかには、「続けていれば、本当に体が柔らかくなるの?」と、半信半疑になってしまう方が多いように感じます。
最初にお伝えしたいのは、柔軟性をアップするには、最低でも2~3カ月、毎日コツコツ、ストレッチを続ける必要があるということです。ダイエットや英会話と一緒で、数日ストレッチを頑張ったからといって、すぐには柔らかくならないのです。
しかし、2~3カ月という期間は、人によってはとても長く感じます。ですから、半信半疑のまま取り組むと、不安になったり、自信をなくしたりして、途中であきらめてしまう人が多いのです。
ですから、私はクライアントで「ストレッチを続ける自信がない」という人には、ストレッチの健康効果や、体を柔らかくすることのメリットをとことんお話しします。
「とりあえずストレッチを始めてみた」という相談者さんの選択は、大正解です。筋トレや有酸素運動ももちろん大切ですが、ストレッチを続けていけば、年齢は関係なく、誰でも必ず柔らかくなりますし、今よりも健康になります。
今回は、その根拠をしっかりお話ししましょう。読み終わる頃には、必ず、「ストレッチを続けよう」と思ってもらえるはずです。
体が硬い人ほど血管も硬い
まず、ストレッチをやらずに、筋肉の柔軟性が低下したままでいると、筋肉にどんな現象が起きるかを解説します。
柔軟性が低い人の筋肉は、短く、緊張しています。筋肉が緊張した状態でいると、リラックスしているときよりも余計にエネルギーを使うため、疲れやすくなります。また、血液の循環も悪くなり、酸素や栄養素が欠乏し、老廃物がたまりやすくなり、痛みを感じやすくなります。
体に痛みを感じると、緊張がさらに強くなるので、疲れや痛みもさらに感じやすくなります。こうして、痛みと緊張のスパイラルから抜け出せなくなると、体を動かすことが苦痛となり、身体活動量も減っていきます。その結果、ますます筋肉の柔軟性が低下してしまうのです。
また、最近よく言われているのは、筋肉の柔軟性と病気との関係です。
柔軟性が高い人は、血管も柔らかく、動脈硬化のリスクも低いといえます。逆に柔軟性の低い人は血管も硬く、血圧も上がりやすいのです。
ですから、「最近、体のあちこちに痛みを感じるようになった」「血圧が上がりやすい」という方は、実は筋肉の柔軟性が低下しているのかもしれません。
- 次ページ
- 筋肉は「長くなるほど」柔軟性が増す
