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中野ジェームズ修一のカラダお悩み解消講座

牛乳パックを落としそうになるのは握力の衰えではない

第4回 体の内部の目である「固有覚」の衰えに注意

 中野ジェームズ修一

牛乳パックの重さが特に分かりにくい理由

 さて、牛乳パックを落としそうになるのは、固有覚のうち、重量覚の衰えのサインです。

 重量覚が衰えると、牛乳パックに指が触れたときに、それがどれぐらいの重さなのかを正確に感じ取ることができなくなります。そのため、力を入れすぎてしまったり、逆に力が弱かったりして、うまく持ち上げられないのです。

 しかも、牛乳パックは外側が透明ではないので、中身の量が見えません。これが透明なペットボトルに入った水だったら、視覚から「どのぐらいの量が入っているか」という情報があるので、重さが把握しやすくなります。

 なお、コンビニでお釣りを受け取るときに落としそうになるのは、どちらかというと位置覚の衰えかもしれません。自分としては適切な位置に手を出しているつもりなのに、ズレてしまっているのです。

 また、公園でお子さんとサッカーをしているときに思うように体が動かないのは、運動覚や位置覚、抵抗覚などの衰えといえるかもしれません。ボールを蹴っても、思ったようなスピードで狙ったところに飛ばないのは、自分の脚を動かすときの加速や、ボールから受ける抵抗などを、正確に把握できていないので、力の入れ具合を間違ってしまうからです。

スポーツを楽しんで固有覚を鍛える!

 では、固有覚はこのまま衰える一方なのでしょうか? そこはご安心を。固有覚は運動によって鍛えることができます。運動によって手足が動き、体が加速を感じ、さまざまな抵抗を受けることで、固有覚に刺激が与えられるのです。

 それでは、どのような運動がいいのでしょうか。筋トレや、トレッドミル(ルームランナー)の上で行うウォーキングやジョギングは、同じ動きの繰り返しになり、体が慣れてしまって、固有覚への刺激が少なくなります。

 それよりも、テニスやスキー、卓球、サッカーなどのスポーツ種目のほうが、効果的です。上り下りや凹凸のある道を歩く登山でもいいでしょう。

 ポイントは、一つの種目をずっと続けるのではなく、軽く楽しむ程度でいいので、なるべくさまざまな種目にチャレンジすること。そうすれば、固有覚にいろんな種類の刺激を与えることができます。

 息子さんと公園でサッカーをするのでも、固有覚を鍛えることにつながります。最初は思うように体が動かなくても、続けるうちに、感覚が研ぎ澄まされ、うまく蹴ったり、止めたりできるようになります。それこそが、固有覚が向上している証拠です。

 今後は、サッカーだけでなく、キャッチボールやバトミントンなども、いろいろと楽しんでみてください。

【中野さんからのアドバイス】

物を落としそうになるのを解消するには…

牛乳パックを落としそうになるのは固有覚の衰えのサイン

子どもとサッカーをして体が思うように動かないのも同様

筋トレよりもスポーツ種目で体を動かすと解消できる

なるべくさまざまな種目に挑戦して楽しもう!

(まとめ:長島恭子=フリーライター)

中野ジェームズ修一(なかの ジェームズ しゅういち)さん スポーツモチベーションCLUB100技術責任者/PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー
中野ジェームズ修一(なかの ジェームズ しゅういち)さん フィジカルを強化することで競技力向上やけが予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。元卓球選手の福原愛さんやバドミントンのフジカキペア、プロランナーの神野大地選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得る。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くからモチベーションの大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍。東京・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」の技術責任者を務める。『世界一伸びるストレッチ』『世界一効く体幹トレーニング』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

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