どうしても目標設定がうまくできないという場合は、最初だけでもトレーナーなどの専門家に相談するといいでしょう。そのうち自分自身で目標設定ができるようになり、一人でも筋トレが続けられるようになります。
さて、多くの人がトレーニングの目標を正しく設定できないのは、メディアからの影響が大きいと感じています。
「1日5分でやせる」「30秒でくびれる」などのうたい文句が、あちこちで飛び交っているため、「1週間で3㎏ぐらいやせられるでしょう」などと、過剰な期待を抱いてしまうのです。
ところが、実際に始めてみると、そう簡単にはいきません。運動しても成果が出ないので、当然、達成感も得られないまま、失敗体験というネガティブな印象だけが残ってしまうのです。
誰だって運動する前は嫌なもの
筋トレが好きになるためには、正しい目標設定をすること以外にもポイントがあります。
相談者の方は以前、筋トレしたときに、「気持ちよかった」「スッキリした」という感覚を味わっています。実は、この感覚こそが大切なのです。
運動を始める前は、ほとんどの人が「面倒だな」「嫌だな」と感じるものです。私は帰宅後のランニングが習慣ですが、トレーナーの私でさえ、疲れて帰った日は「あ~、今日は走りたくないなあ」と思います(笑)。
でも走り終わった後は、必ず「あ~、気持ちよかった」「やってよかった!」となります。ですから、筋トレをする前に憂鬱な気持ちになったら、やり終わった後の爽快感を思い出してください。
また、相談者の方は、学生時代に部活動で筋トレをやって、それ以来、ネガティブなイメージがついてしまっていますね。それも、筋トレが嫌いな原因になっているようです。
実は、筋トレにハマっている人のなかには、学生時代は部活動で筋トレをやっていなかった、という人も多いのです。むしろ運動が苦手だった、という人も少なくありません。
過去に部活動の筋トレで嫌な思いをしなかった分、先入観がないまま筋トレを始めることができたのでしょう。しかも、真面目に取り組めば結果がついてくるので、運動が苦手だった人でも、自分のカラダが変わっていく達成感を覚え、筋トレにハマっていくのです。
昔に植え付けられた「嫌なもの」という認識は、新たな体験によって書き換えられます。ぜひ、部活動の苦い経験は一度脇に置いて、自分のための筋トレにトライしてみてください。
これは筋トレだけに限った話ではありません。ランニングや水泳といった有酸素運動や、バスケットボールやサッカーなどのチームスポーツ、あるいはサーフィンや登山でも、「苦手だな。嫌だな」と思う運動でも、先入観を捨て、正しい目標設定で取り組めば、楽しくハマれるのです。
【中野さんからのアドバイス】
筋トレの苦手意識を克服するなら…
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筋トレで達成感が得られるようになれば好きになる
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トレーニングの目標は達成の可能性が50%になるよう設定
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目標を楽々できるようになったらさらに負荷を上げる
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トレーニング前は誰でも憂鬱なもの。終わった後の爽快感を思い出して!
(まとめ:長島恭子=ライター)

