目に異常が出る、思いがけない全身の病気や薬とは?
第6回 糖尿病や顔の帯状疱疹と診断されたら、必ず目のチェックを!
石岡みさき=みさき眼科クリニック院長
目のかすみや痛み、かゆみ、異物混入など、目にまつわるさまざまなトラブルが起きたときに、急いで眼科を受診すべきなのはどんな場合なのでしょう? 反対に、あわてなくてもよいケースとは? 失明の恐れのある緑内障など、重大な病気を見落とさないためにはどうすればよいのでしょうか? この連載では、眼科専門医の石岡みさき先生(みさき眼科クリニック院長)が、実例を基に、目の健康を守る秘訣をアドバイスしていきます。今回のテーマは「目に異常が出る全身の病気や薬」です。
いわゆる「ものもらい」で受診した方を診察していたときの話です。
じゃあ、抗菌薬の目薬を出しますので、1日4回、痛みがなくなるまで使ってくださいね |
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なあ、先生、この器械で診ればすべての病気が分かるんでしょ?
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え? これは目玉の前の方しか見えませんよ |
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あ、じゃあ、あれか! 目の中の写真を撮れば分かるのか! 糖尿病があるとか、血圧が高いとか
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うーん、糖尿病や高血圧の変化が目の中にあれば確かに写真に写りますが、それは病気がかなり悪くなってからの変化です。基本は健康診断などで採血したり、血圧を測ったりして見つけるものですよ |
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なーんだ、「目は心の窓」って言うくらいだから、眼科に来れば体全部の病気が分かると思ってたよ。残念だなあ
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それは「目を見ればその人の本心が分かる」という意味でしょ。自治体の健診があるから受けてくださいね |
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はい、はい
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(エピソードは実際にあった話をいくつか組み合わせて脚色しています)
糖尿病網膜症は、自覚症状が出る前の発見が大事!
眼科以外の科で治療している病気によって目の症状が出たり、薬の副作用が目に現れることがあります。痛みや充血、視力低下などの自覚症状が出れば眼科を受診してくれますが、中には症状が出るころには進行してしまい、治療が難しくなることもあります。目には自覚症状がなくても、病気の診断がついていたら眼科を受診すべき代表的な疾患は、「糖尿病」と「顔の帯状疱疹」です。
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