日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > 子どもへの上手な薬の飲ませ方  > 縦抱きよりも横抱き! 1歳半くらいまでの子どもに薬を飲ませる4つのコツ  > 2ページ目
印刷

子どもへの上手な薬の飲ませ方

縦抱きよりも横抱き! 1歳半くらいまでの子どもに薬を飲ませる4つのコツ

『極める!小児の服薬指導』著者に聞く

 松本康弘=小児薬物療法認定薬剤師

(1)横抱きで飲ませる

 2歳までの子どもは、基本的には横抱きで飲ませています。薬を喜んで飲んでくれる子ならば、縦抱きでもうまく飲んでくれますが、服薬を嫌がる子では、縦抱きにすると、口の中に入れたあと、口を開けて薬を出します。

 実際、縦抱きにすると、口を開いただけで、薬がこぼれます(写真2A)。また、器用な子なら、うまく口に入れても出してしまいます。一方、横抱きにすると口がポケット状になって、なかなか出すことができません(写真2B)。

【写真2A】縦抱きにすると、口を開いただけで、薬がこぼれます。また、器用な子は、うまく口に入れても出します。【写真2B】横抱きにすれば口がポケット状になって、なかなか出すことができません。

(2)手は固定する

【写真3】投薬時の赤ちゃんの抱き方

 当然ですが、私のような知らないおじさんに抱っこされ、スポイトを口に入れられようものなら、子どもは嫌がります。すると、スポイトがはじかれたり、薬がこぼれたりするので、抱っこする時の赤ちゃんの右手と脇の間に、私(投薬者)の体を入れて、赤ちゃんの右手を固定します。さらに、投薬者の左腕で赤ちゃんの左手を押さえて動けなくします(写真3)。こうすれば、多少動いても大丈夫です。

(3)薬は少しずつ飲ませる

 また、薬をスポイトで一気に入れると、量が多いため吐き出す子がいます。スポイトの目盛で0.5mLずつ飲ませると、唾液をためない限り吐き出すことは困難です。「スポイトで薬を0.5mLずつ口に入れて、一度スポイトを口から出す」「10秒間待って再度スポイトを口の中に入れてまた0.5mL入れる」…という動作を繰り返します。

(4)泣かせた方が飲ませやすい?

 横抱きにすると1歳くらいのお子さんはよく泣き出します。オロオロするお母さんがいますが、逆にこの時がチャンスです。泣いているお子さんの口は大きく開いているので、スポイトを入れやすいし、大声を出しているので、薬を少しずつ入れると自然と薬液が喉に入っていきます。大泣きをするお子さんも、服薬後、お母さんに抱っこしてもらうとすぐに泣き止みます。

 重要なのは少しずつ飲ませることです。横抱きにして少量ずつ飲ませると子どもは薬を吐き出せません。この方法は1歳半くらいまで有効です。

 これについて、ある産婦人科医から、「横抱きで飲ませるときに誤嚥したりむせたりしませんか?」と質問がありました。育児書などでもそれを考慮してか、縦抱き図が多いのだそうです。

 実は私も最初は縦抱きで飲ませていたのですが、そうすると乳児でも舌を上手に使って口の横から飲ませた薬を出すことがありました。横抱きで飲ませてみると、意外とこぼさなかったため、今は横抱きで飲ませています。

 ただし、確かにむせる心配はあるので、少しずつ飲ませる必要があります。大泣きして気管に薬が入らないか心配な場合などは、一度、縦抱きにして、落ち着いてから再度チャレンジするように伝えています。

 この横抱きにしてスポイトで飲ませる方法が通用するのは1歳半までで、2歳以降になると通用しなくなります。2歳以降の子どもへの飲ませ方に関するお話は、また次の機会にしてみたいと思います。

[『極める!小児の服薬指導』(日経BP社)より再構成]


子どもへの上手な薬の飲ませ方

第1回 子どもがなかなか薬を飲んでくれない時、どのくらい飲ませれば大丈夫?

松本康弘(まつもと やすひろ)さん
小児薬物療法認定薬剤師。ワタナベ薬局上宮永店(大分県中津市)勤務
松本康弘(まつもと やすひろ)さん 1956年生まれ。熊本大学薬学部卒業後、大手製薬企業の研究所勤務を経て、2001年に株式会社ワタナベに転職。最初に配属された店舗で、小児の服薬指導の難しさや面白さに魅せられ、患者指導用のパンフレットの作成などを積極的に行うようになった。著書に『極める!小児の服薬指導』(日経BP社)。

先頭へ

前へ

2/2 page

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 悩ましい「老眼」「飛蚊症」「ドライアイ」への対処法

    放っておいても失明につながる心配はないものの、日常生活に不便をもたらしたり、疲れや肩こりなどの体の不調を引き起こす、悩ましい目の症状。今回は、そうした「ちょっと困った目の症状」の代表例である「老眼」「飛蚊症」「ドライアイ」への対処法をまとめていく。

  • 「眠れない」を解消して抵抗力を高める、3つのNGと6つのテク

    暑い夜でもぐっすり眠るにはどうすればいいのか。そもそも睡眠は何時間とればいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、不眠を解消するための3つのNGと、6つの快眠テクニックを紹介する。

  • 熱中症・かくれ脱水を防ぐ「水分補給」「マスク着用」のコツ

    脱水症やその一歩手前の「かくれ脱水」とはどういうもので、なぜ様々な病気につながるのか、脱水症はどんな人がなりやすく、どう予防すればいいのか。夏の今こそ知っておきたい、脱水症の怖さと対策について紹介する。さらに、夏期におけるマスク着用の注意点についても解説する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.