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ストレス解消のルール

やるだけムダな「健康を害する歩き方」って?

肩こり・腰痛・膝痛ストレス解消の歩き方ルール

 結城未来=健康ジャーナリスト

<姿勢をチェックするためのルール>
(1)「正面から見て傾きはないかをチェック」
⇒肩の左右の高さが均等か、首や顔が傾いていないかを見る。「左右対称に筋肉を使っていれば、背中は真っすぐで肩も傾かないはず。姿勢を保つ筋肉に左右差があると、バランスが崩れてしまいます」(平泉医師)
(2)「横から見て真っすぐかをチェック」
⇒尻が出っ張ったり猫背になっていないかを見る。「筋肉をきちんと使えていないと姿勢は崩れがちになります」(平泉医師)
(3)「目を閉じて姿勢を正せるかをチェック」
⇒「視覚での修正」ができない状態で姿勢を確認する。具体的には、目を閉じて姿勢を正し、目を開いた時に姿勢が崩れていないかを見直そう。「目を開いていると、平衡感覚がとりやすく自分の体も見えるので姿勢を修正しやすい。目を閉じていても正しい姿勢がとれるように体に覚えこませましょう」(平泉医師)

 一つでもできていないなら、再度「壁立ちポーズ」で姿勢を修正しよう。

――平泉医師「『痛みを起こさない体づくり』には、正しい姿勢は必須。ぜひ、日ごろから意識してください」

 ただ、体を痛めないようにするには、姿勢だけでなく、歩き方にも注意が必要だ。

――平泉医師「真っすぐに歩けていない人が多すぎます。『歩く時に必要な能力』を意識して使っていないせいですね。フラフラ歩きはエネルギーと能力のムダ使いです」

 「歩く時に必要な能力」とは、姿勢の良さに関わる「正しく筋肉を使うこと」に加えて、「バランス能力を働かせること」だそう。

――平泉医師「特にバランス能力は、加齢とともに衰えていく一方です。この能力を鍛えなければ、転倒しケガをしやすくなりますし、左右均等に筋肉を使えないので歩いていても効果的な運動にはなりません。体の軸もズレてきますから、腰痛や肩こり、膝痛を引き起こすことにもつながります」

 「バランス能力」を使えているのか、チェックしてみよう。その見極めルールは、こうだ。

<バランス能力見極めのルール>
(1)「白線に沿って真っすぐに歩けるか」
⇒安全な場所を選んで、道に引かれている白いラインなどに沿って意識して真っすぐに歩いてみよう。ラインの両側に左右の足を置き、ラインと平行に進めるかを見極める。タイルの目や家のフローリングの板に沿って歩いてみるのもよい。
(2)「同じ場所で足踏みができるか」
⇒簡単に思えるかもしれないが、筋肉のバランスが崩れていると、同じ場所での足踏みは難しい。
(3)「目を閉じて足踏みをしても、同じ場所にいられるか」
⇒30秒~1分間、目を閉じて足踏みをしてみよう。目を閉じると視覚での修正がきかないので、バランスが崩れていれば体は前後左右に動きやすい。

白線やタイルなどを目安に、真っすぐ歩けているかをチェックしよう。写真はイメージ=(c)moodboard-123RF
[画像のクリックで拡大表示]

 私もやってみた。車道でやるのは心配だったので家の中でフローリングの板を使って歩いてみると、ルール1はクリア。ただ、気を抜くとフラフラするので、やはり意識をして真っすぐに歩くことが大切だと痛感した。

 ルール2と3では、足踏みのズレが分かるように床にA4サイズの紙を1枚置いて、その上で足踏みをしてみた。すると、目を開けている時にはそれほどズレなかったが、目を閉じて1分ほど足踏みをしたところ、紙の上からは完全に離れて、1メートルほど右にズレたところにいた。

――平泉医師「大きくズレる人には、偏った筋肉の使い方をしている人が多い。背中や股関節のどちらかが曲がってしまっている可能性が高いです。結城さんの場合は右側に傾きがちなので、右の筋肉ばかりを使っているのかもしれませんね」

 自分では体のバランスが崩れていると思ったことはないが、バランスをとりながら真っすぐに歩く難しさをあらためて悟った。何より、無意識のうちに右の筋肉ばかりを使っているのには驚いた。

――平泉医師「歩行時には段差や凹凸、傾斜を通ることもあります。普段から意識してバランス能力を使っていれば、筋肉を均等に使うクセがつきます。段差でつまずいたり足元の悪い場所でバランスを崩して転倒するリスクも減ります。自分を守るための能力ですから、意識して使って鍛えてください」

――平泉医師「あと2つのルールを守って歩けば、『移動のために歩く』だけでも、体を痛めないどころか運動効果もかなり高まりますよ」

<運動効果を高める歩き方のルール>
(1)「体の軸(体幹)を安定させて重心を移動させながら歩く」
⇒「頭上からつり上げられるような気持ちで体の軸(体幹)を安定させて歩けば、通常よりも楽に前進できます。また、この歩き方なら股関節や膝も自然に伸びて負担がなくなりますから、痛みからも解放されますよ」(平泉医師)
(2)「足ではなく、腰で歩く」
⇒「ヘソに力を入れて、左右の腰を交互に前に出す気持ちで歩いてください。腹筋を鍛えながら効率よく前に進めます」

 実際にやってみると、慣れないと腰を使うのが難しいことが判明。そこで、「腰は足の一部だ」という気持ちで、腰から足を前に出すようにしてみたところ、足だけを使っていた時よりも推進力が増した。何より、気持ちよく歩けた。

――平泉医師「正しい姿勢での歩行は、生活の中ですぐに取り入れられる手軽な全身運動です。意識をして歩くように心がけてください」

 たかが「歩き」、されど「歩き」。外だけでなく、家の中でも必ず「歩く」という動作はある。姿勢や使っている筋肉を意識して歩くかどうかが「健康」と「不健康」の大きな分かれ目だ。毎日を楽しく過ごすためにも、まずは「姿勢」から見直してみよう。

平泉裕(ひらいずみ ゆたか)さん
品川志匠会病院副院長、昭和大学医学部整形外科学講座客員教授
平泉裕(ひらいずみ ゆたか)さん 1982年昭和大学医学部卒業、87年医学博士。2002年同大学医学部整形外科学教室助教授、07年同准教授、13年同教授、16年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本リハビリテーション医学会研修施設指導責任者なども務める。
結城未来(ゆうき みく)
エッセイスト・フリーアナウンサー
結城未来(ゆうき みく) テレビ番組の司会やレポーターとして活躍。一方でインテリアコーディネーター、照明コンサルタント、色彩コーディネーターなどの資格を生かし、灯りナビゲーター、健康ジャーナリストとして講演会や執筆活動を実施している。

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