髪が濡れているとき摩擦はNG、頭臭の原因に
ストレス解消のルール(3)
結城未来=健康ジャーナリスト
前回記事「髪は洗い過ぎない、塩でシャンプー…頭臭の悩みはこれで解決!」は想像以上の反響で多くの人に読まれた。筆者・結城未来のもとへも「毎日の洗髪が臭いを増加させる原因だったとは!」「塩で頭を洗うって?」「重曹を髪に使うとは!」といった驚きの声が多く寄せられた。同時に、「1日2回髪を洗わなければいけないと思うほど頭がベタベタし、臭いも気になっていたから、早速実践してみる」という声も聞かれた。
これほどまでにストレスを感じる人が多い「頭臭」。実は、その対策は洗髪だけにとどまらない。洗髪後の髪の乾かし方も肝の一つだ。自然乾燥派にもドライヤー派にも落とし穴がある。頭臭ストレス対策の第2弾として「頭臭を引き起こす髪を乾かす際の落とし穴」について臭い対策のスペシャリスト・五味クリニック(東京・新宿)の五味常明院長に教わった(「頭臭スパイラルに陥らないための「髪の乾かし方」5つのルール」を今すぐ知りたい方は記事末をご覧ください)。

洗髪後は、「自然乾燥派」と「ドライヤー派」、どちらが多いだろうか? かくいう私は、「自然乾燥派」。ドライヤーが嫌いというよりも、ついつい「ドライヤーが面倒臭い」と思ってしまうズボラタイプだ。もちろん、美容院で丁寧にドライヤーをかけてもらうと、いつも以上にサラサラでツヤ感のある髪に仕上がるので、「ドライヤーを丁寧にかけることは美髪につながる」とは、常日頃、痛感してはいるのだが…。
自然乾燥では頭臭が強まる可能性が高い!?
――五味院長「実は、私も自然乾燥派。でも自然乾燥が必ずしも良いわけではないですよ。たとえば、結城さんの場合、自然乾燥では頭臭が強まる可能性が高いかもしれませんね」
…と、いきなりのカウンターパンチ。これまでに、「自分の頭が臭い」と思ったことはなかったのだが、考えてみれば、自分では自分の頭の臭いをかげない。もしかして、周囲はひそかに「あいつの頭、臭いなぁ」と思っていたのかもしれないと、少々不安だ。これは、自然乾燥で頭臭が発生しやすい場合、しない場合の分かれ目から探っていく必要がありそうだ。
まずは、おさらい。髪の毛は「臭いの収集器」。隣に座っている二日酔いの人のアルコール臭、近くで煙を出す人のタバコ臭、加齢臭など、空中に飛び回っている臭い分子を、臭いの収集器である毛が吸いとってしまうというのが、前回記事「髪は洗い過ぎない、塩でシャンプー…頭臭の悩みはこれで解決!」での五味院長の解説だった。
――五味院長「前回の記事で紹介した洗髪法を続けられれば、髪の表面についた臭いも頭皮から発生する臭いも、サッパリと洗い流されるはずです」
ならば、洗髪後はもう頭臭とは無縁なのでは!?
――五味院長「ところが、ここに落とし穴が一つ。洗顔後の髪の乾かし方によって、『臭いがつきやすくてとれにくい髪』になるリスクが高まるんです」
それは、濡れた髪のまま長時間いると、髪が臭くなるということだろうか?
――五味院長「いえいえ、清潔になった髪が臭くなるということはありません。臭いがつきやすいかどうかは、髪を傷つけてしまうかどうかにかかっているのです。
そもそも、毛髪の表面を覆っているキューティクルはガラスのようにツルツルしています。傷んでいなければ臭い分子はブラッシングだけでツルリと落ちてしまう。でも、傷んでいると臭い分子が引っかかり、『臭い髪』になってしまうんです」
私も好んでいる自然乾燥なら、髪が傷むことはなさそうに思えたのだが…。
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