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ストレス解消のルール

ドライアイや脳の働きにも影響! 知られざる「まばたき」の役割

意外に多い、不完全なまばたき

 結城未来=健康ジャーナリスト

 眼科医たちがこうした歌を作るくらい、目の健康にまばたきは重要らしい。確かに、目の痛みは大きなストレスを招き、仕事の効率を落とす要因になる。

――綾木院長「実際、ドライアイになると『気が散りやすい』ということは脳波を使った私の研究でも明らかです。まばたきを我慢してドライアイの状態にすると、集中力に由来する脳波成分が減少。『普段からドライアイ症状が強い人ほど、集中力が低下する』という研究結果が出ています」

 まばたきをすることで目の健康を保つことは、仕事の効率にも関わってくるようだ。

――綾木院長「さらに最新の研究では、まばたきが脳の情報処理に直接関わることも分かってきました。まばたきは、目に紫外線などの有害な光が入ることを防ぐだけでなく、見続ける状態から一時解放することで、目を休めると同時に脳の緊張も解きます。こうして、まばたきで目を閉じている0.3秒ほどの間に脳は情報をとりまとめ、目を開いた後に次の情報処理にとりかかるのです。まばたきは目を拭き掃除するだけでなく、こまめに目や脳を休めて集中力を回復させ、情報処理を助けていることになります」

 まばたきは一瞬のアクションにすぎないが、この極めて短い時間に、目と脳の機能を回復させるカギを握っているというのだから、体の機能の奥深さには改めて頭が下がる。

――綾木院長「私たちが起きている時間の10%はまばたきで目を閉じているのですが、それによって『見えない』『暗い』というような不安な気持ちになることはありません。むしろ、まばたきはストレスを減らし、脳の機能を向上させる自然な営みであると理解できます」

 ここまで聞くと、意識してまぶたをしっかりと閉じなければいけないという気になる。

――綾木院長「まばたきは目薬と同じくらい大切です。実際には『まばたきなんて、なかなかできない、やるヒマがない』と、難しがる患者さんが意外に多いんですけれどね(苦笑)」

目を閉じられない原因は?

 目をしっかりと閉じられない原因は何だろうか。

――綾木院長「甲状腺の疾病や目の周囲のマヒでも目を閉じにくくなりますが、大抵の場合、『クセ』ですね。特に目が大きい人は目を閉じにくいので、浅く閉じるクセがついてしまっている人が多いですね」

 「健全なまばたき」に変えるコツはあるのだろうか。

下までしっかりまぶたを閉じる、これが大事だ。写真はイメージ=(c)olgaos-123RF

――綾木医師「下までまぶたが落ちている感覚を覚えることが大切です。ちゃんと目を閉じられていれば視界は真っ黒になるはずですよ。意識的にゆっくり長めに目を閉じる練習をしてみてください」

 歯磨き中やトイレのタイミングなど、生活の中で自然に取り入れるのはどうだろうか。

――綾木院長「何かのついでにやるのはよいですね。まばたきは副作用もありませんし、お金もかからず、人に迷惑をかけることもありません。いつでも実行できるものですから、意識してまばたきをしてみてください」

 たかが「まばたき」、されど「まばたき」。無意識に行ってきた「まばたき」によって目の痛みストレスを引き起こし、仕事の効率を下げていたのなら、由々しき問題だ。実際、私自身も意識をして、目をしっかりと閉じるまばたきに変えてから、目が楽になったような気がする。今からでも始められるストレス解消法、ぜひ、お試しあれ。

<「まばたき」を味方につけて、目と脳のストレスを減らすためのルール>

(1)

目をしっかりと閉じてまばたきをしているかを意識せよ

(2)

まばたきは、角膜を拭き上げる大切なメンテナンス機能だと心得よ

(3)

まばたきがちゃんとできていないと、集中力の低下を招く可能性もあると心得よ

(4)

まばたきは、脳の緊張を解いて処理能力を高める大切な役割もあると心得よ

(5)

意識してまばたきを行うタイミングを生活に取り入れよ


綾木雅彦(あやき まさひこ)さん
おおたけ眼科つきみ野医院院長、慶應義塾大学医学部眼科学教室特任准教授
綾木雅彦(あやき まさひこ)さん 1982年慶應義塾大学医学部卒業後、米国ハーバード大学医学部留学。昭和大学医学部眼科准教授、国立病院機構埼玉病院眼科医長、国際医療福祉大学三田病院眼科准教授などを経て、現職。医学博士(慶應義塾大学)、日本眼科学会認定眼科専門医・指導医、日本抗加齢医学会専門医・評議員、睡眠健康指導士、アメリカ眼科アカデミー国際会員。
結城未来(ゆうき みく)
エッセイスト・フリーアナウンサー
結城未来(ゆうき みく) テレビ番組の司会やレポーターとして活躍。一方でインテリアコーディネーター、照明コンサルタント、色彩コーディネーターなどの資格を生かし、灯りナビゲーター、健康ジャーナリストとして講演会や執筆活動を実施している。

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