コロナボケ解消には「魚」がいい? 脳を活性化させる食事のツボ
コロナストレスを解消するためのルール
結城未来=健康ジャーナリスト
魚はおやつにも! 少しの工夫で無限の楽しみ方
「魚をしっかりとかんで食べる」ことで脳の活性と同時に、脳や体に良い栄養面もサポートできる。
まさに、「コロナボケ」「コロナ肥満」対策にピッタリだ。
――柳澤教授「魚介類は栄養価の高さに加えて、部位や調理法によってさまざまな食感を引きだせる『かむことも楽しめる』マルチ食材です。たとえば、朝食にご飯・海藻ミソ汁・焼き魚は、栄養面でもとてもバランスのとれた組み合わせ。さらに魚を「シシャモ」などにすれば、しっかりと『かむ』ことができます。もし、パンがお好みなら、ジャコにピザチーズを混ぜてトーストにのせて焼けば、ジャコの栄養とかみ応えに加えてチーズのカルシウムも加わった脳も体も喜びそうなパン食にできます。オリーブオイルを少しかけたり、黒コショウや七味唐辛子で味に刺激を加えたりしても、おいしいですよ」

朝から「魚をしっかりとかんで食べる」ことから一日をスタートすれば、脳はフル回転し、一日の作業効率も上がりそうだ。ただ、家時間が増えると、三食以外にもついつい食べ物を口にしてしまいがち。間食時にもよい食べ方はないだろうか?
――柳澤教授「『かむ魚おやつ』として、丸ごと食べられる小アジや小イワシなどのみりん干し、小袋に入ったアーモンドやピーナツ入りの小魚などもお薦めですね。かみ応えがありますので少量でも満足感がありますし、たんぱく質やカルシウムも豊富。たとえば、イワシとアーモンドでしたら、10グラム当たりに含まれるたんぱく質は卵の1/2個分、カルシウムは牛乳約1/2本分。イワシには日本人に不足しがちなカルシウムの吸収率を高めてくれるビタミンDも多く含まれていますので、栄養面でも優等生といえます」
そういえば、私はしらす干しを買ってきて食事時に食べることが多い。時にはフライパンでカリカリにして、間食や原稿執筆時のお供にすることも少なくない。
――柳澤教授「良い食べ方ですね。小魚なら丸ごと栄養を取れますし、調理法によって食感を簡単に変えられます。イワシやアジなども骨を油でじっくり揚げると、とっても香ばしい骨せんべいになりますよ」
煮る、焼く、ご飯と共に食べるだけではもったいないくらい、魚介類には工夫次第で無限の楽しみ方がある。毎日の「食」をおいしくしながら脳の活性や栄養面をサポートできるのだから、あらためて見直す必要がありそうだ。
――柳澤教授「本来、魚は内臓から皮まで丸ごと食べられる無駄のない食材です。海に囲まれた日本は魚の食文化レベルも高い国。せっかく歴史や文化があるのですから、普段の食生活を見直して、魚介類でさまざまな食べ方を楽しんでいただきたいですね」
令和元年度の水産白書によると、魚介類をあまり購入しない理由は、「嫌い」ではなく、「肉類を家族が求めるから」「魚介類は価格が高いから」「調理が面倒だから」という理由が上位を占める。その一方で、「魚を食べる量や頻度を増やしたい」という回答が6割以上。魚料理が「好き」「やや好き」という回答は9割以上(*7)にもなる。
今年はサンマ、アジなどの一部の魚は不漁のため高めの価格だが、コロナ禍で営業自粛や時短営業を強いられた外食産業での使用量が減り良質な食材が手軽に手に入るチャンスの時でもある。
この機会においしい魚をしっかりとかんで味わい、楽しみながらコロナストレスを解消してはいかがだろうか。
ルール1
「しっかりとかめる」食品を食べるように心がける
ルール2
食感のバリエーションを増やしておいしさ感もアップ
ルール3
魚介類を工夫して食べることで「栄養もしっかりとかむこと」も一挙両得

エッセイスト・フリーアナウンサー
