コロナボケ解消には「魚」がいい? 脳を活性化させる食事のツボ
コロナストレスを解消するためのルール
結城未来=健康ジャーナリスト
――柳澤教授「義務感ではなく自然に『かむ』回数を増やすには、『おいしい』と思えること、『五感でしっかりと味わうこと』も忘れないでください。味や香り、食感をしっかりと感じる、つまり脳で認識することも、脳への刺激として重要とされています」
確かに、急いで食べる時には味わっていないうえに、「キチンとかんでいる」とは言い難い。「おいしい」と感じて味わいながら食べれば、いつの間にか「しっかりとかむ」ことにもつながるようだ。
――柳澤教授「おいしくかめるようにするには、単調ではなくさまざまな食感にするのもポイント。たとえば、とんかつにキャベツを添えるのも、食感の違うものがあることで飽きずにおいしく食べられる一例です」
「栄養」はもちろん、「食感」という点から毎日のメニューを見直すだけでも、おいしく「かむ」行為を増やして脳を活性化できそうだ。
魚介類でさまざまな食感を楽しむ
――柳澤教授「食材の中でも、特に『魚介類』はおすすめです。やわらかい刺し身から堅い干物、うなぎのようになめらかな皮からカリカリの骨、かむほどに味わい深い貝まで食感のバリエーションが実に豊富。栄養面でも『おいしくかむ』という点からも、注目すべき食材です」
周知のように、魚介類は非常に栄養価が高い。魚の脂質に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などのn-3(オメガ3)系多価不飽和脂肪酸が、胎児や子供の脳の発育に重要な役割を果たすことは明らかになっている。
肝臓がんや膵臓がん、男性の糖尿病予防、肥満の抑制、心臓や大動脈疾患リスクの低減等、期待されている効果も多い。
さらに、魚のたんぱく質は、大豆や乳たんぱく質と比較しても消化されやすく、人間が生きていくうえで必要な9種類の必須アミノ酸もバランスよく含む。
肝機能強化や視力回復効果が期待されているタウリンはイカやカキに多く、カルシウムの吸収を促進するビタミンDが豊富なサケ・マス・イワシ類、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な海藻類など、魚介類は健康維持に欠かせない食品だ。