日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > ストレス解消のルール  > 「隠れドライアイ」コロナで増加 涙が減り睡眠障害も
印刷

ストレス解消のルール

「隠れドライアイ」コロナで増加 涙が減り睡眠障害も

ドライアイ・ストレス解消のルール

 結城未来=健康ジャーナリスト

新型コロナで環境が一変する中、眼科医に駆け込む患者も増えているようだ。中でも問題なのが、目の不調を感じない「隠れドライアイ」だ。いつの間にか「睡眠障害」「うつ症状の悪化」などにつながっている危険もあるという。健康ジャーナリスト結城未来が慶應義塾大学医学部特任准教授で、おおたけ眼科つきみ野医院(神奈川県大和市)の綾木雅彦院長にコロナ禍で急増する新たな症状の正体について聞いた。

リモートワークでパソコンを使って集中する作業が増えると、まばたきの回数が減って、目の疲れにつながる可能性も。写真はイメージ=123RF
リモートワークでパソコンを使って集中する作業が増えると、まばたきの回数が減って、目の疲れにつながる可能性も。写真はイメージ=123RF

「敏感なドライアイ」と「鈍感なドライアイ」

 私事で恐縮だが、このところ目がつらい。あくびをして涙が出ただけで「しみる」。「涙で目が痛い」のだ。

――綾木医師「それは、『敏感なドライアイ』になっているためですね」

 「涙」は目のゴミを洗い流すだけでなく、目の表面を保護するバリアの役割も果たす。そのため、涙が減ると目に傷がつきやすく疲れ目にもなりやすい。これが「ドライアイ症状」だ。このところよく聞く言葉ではあるが、涙が出ていても「ドライアイ」なのだろうか?

――綾木医師「そうです。角膜は、体内で神経が一番集まっている部位だと言われています。『敏感なドライアイ』は角膜が過敏になっている状態。それだけに、目の乾きだけでなく結城さんのように痛みまで感じやすくなるのです。でも、怖いのは鈍感なドライアイ『隠れドライアイ』ですね」

 痛みに「鈍感」なら、つらくないような気がする。

――綾木医師「反対です。『ドライアイ』であることに気づかないために、他の疾病で悩み続けることになりかねません」

ドライアイ、睡眠障害、気分障害のトライアングル?

 「涙の減少」で目の不調以外に引き起こされるものがあるのだろうか?

――綾木医師「目の障害が自律神経に悪影響を及ぼすことも少なくありません。『ドライアイ』『睡眠障害』『うつなどの気分障害』には相関関係があると考えられます。眼科医の世界では『ドライアイ患者にはうつ傾向がある』という先行研究があります。実際、6年前に1000人の眼病患者に対して実施した私の研究では、緑内障・白内障・結膜炎・網膜疾患などの代表的な眼疾患と比較して、ドライアイ患者には睡眠障害やうつ・不安などの気分障害が多く見られることが分かっています。

 ドライアイが重症だと睡眠障害も重い傾向があります。つまり、患者本人が自分のドライアイを自覚していない『隠れドライアイ』では、いつの間にか睡眠障害やうつ症状の悪化を招いている危険があるのです」

 「睡眠障害」と「うつなどの気分障害」が密接な関係にあることは以前より知られていたが、「ドライアイ」と「睡眠障害」「うつなどの気分障害」にも関わりがあることに気づいている人は、そう多くはないだろう。

――綾木医師「そうなんです。睡眠や精神面が『目と関わりがある』と気づく人はなかなかいないのが現状です。

 メカニズムに関してはまだ研究途上ではありますが、このトライアングルには相関関係があるように思われます。逆に言うと、どれかの治療で他も改善する可能性が高いということです。

 実際、ドライアイの治療で睡眠の質も改善された例は少なくありません。私の研究でも、初めてドライアイだと診断された患者のうち、3カ月以上の点眼治療で35%の患者の睡眠が改善し、50%の患者の気分障害が改善するというデータが出ています」

 白内障の手術をすることで目に入る光が増えて体内リズムが整い、睡眠の質が向上することは知られている。しかし、ドライアイを改善することでも、睡眠や精神面での改善につながるとは驚きだ。

1/2 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 怖い病気を招く「中性脂肪」を食事・運動で徹底対策!

    健康診断でもおなじみの項目である「中性脂肪」。血液中の中性脂肪が150mg/dLを超えると、脂質異常症の1つ、「高中性脂肪血症(高トリグリセライド血症)」と見なされる。血管の老化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を遠ざけるためにも、中性脂肪が上がるのを避けなければならない。そこで、今回はやっかいな中性脂肪の正体や、食事や運動でできる鉄板の対策法を一挙紹介していく。

  • 長年の悩み「腰痛」を解消! 痛みを和らげる体操4選

    腰痛は日本人の国民病とも言える身近な症状だ。特に問題なのは、原因がはっきりしない、「なんだか知らないけど、いつの間にか…」始まってしまう「慢性腰痛」だ。長年にわたって慢性腰痛で悩む人は少なくない。そこで、今回は長引く腰痛の解消が期待できる体操を一挙紹介する。

  • 怖い緑内障 忍び寄る失明を回避するには

    緑内障は放っておくと失明を招く怖い病気だが、病気が進んでも中心部の視力は保たれるため、自分ではなかなか気づきにくい。本記事では、緑内障による失明を回避するために知っておきたい期症状の特徴や、早期発見のために必要な検査、最新治療などについてコンパクトに解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.