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ストレス解消のルール

医師もお手上げの「耳の薄毛」 難聴の原因は毛だった?

耳の薄毛にならないためのルール

 結城未来=健康ジャーナリスト

 「薄毛」。ストレス社会の昨今、男女問わず気にする人が多い。この薄毛ストレスを解消するための商品は世の中に多く出回っているが、実はどうにもこうにも治せないこともある。それが、「耳の『薄毛』」だ。そう聞いて「耳の薄毛って何?」と疑問に思う方も多いだろう。耳の毛がどんなものかについては後ほど詳しく説明するが、その毛が薄くなると、「治らない」「聞こえない」「コミュニケーションがおっくうになって、うつや認知症の入り口に立つ」という負のスパイラルに陥りかねない。

 聞こえ方の低下によって、前回記事「怒りをまき散らすあの人のパワハラ、じつは『耳の老化』が原因かも」でも書いたように、「聞こえない側」にも「話す側」にもコミュニケーション障害からくる大きなストレスがかかりやすい。今回は、そんなストレスの原因となる「耳の薄毛」の実態とそのストレスを解消するためのルールを健康ジャーナリストの結城未来が東京逓信病院耳鼻咽喉科部長の八木昌人医師に教わった。

「聞こえ」に関係する「耳の薄毛」とは一体どんな状態を指すのでしょうか。写真はイメージ=(c)9nongn-123RF

そもそも音はどうやって聞こえるの?

 まずは、耳の仕組みを知っておこう。耳の構造は大きくは「外耳」「中耳」「内耳」の3セクションに分かれる。

(イラスト 平井さくら)
[画像のクリックで拡大表示]

 外から耳に入った音は波として外耳道を通過し、

  • (1)「鼓膜」がこれを振動に変換
  • (2)「耳小骨(じしょうこつ)」で振動を増幅
  • (3)「蝸牛(かぎゅう)」と呼ばれるカタツムリのような器官の中にあるリンパ液が振動
  • (4)蝸牛の中に生えている「有毛細胞」が刺激を受けて電気信号に変換
  • (5)蝸牛神経を通って電気信号が脳へ送られる

――という道筋をたどって、私たちは「音」を感じることができる。

 この中のどこかの具合が悪くなると「難聴」など、さまざまな耳の疾病につながる。

――八木医師「実のところ、耳の不具合には私ども医師が頑張れば治せる部分と、完全には治せない部分があります。耳の毛がなくなってしまうと治せません

 ここまで読むと、「耳の毛」とは、耳をのぞくと見える、あの細い産毛ではない、ということに気づいていただけたのではないだろうか? そう、問題は、耳の奥に生えている5、6ミクロンほどの微細な毛がなくなっていくことなのだ。

蝸牛にある「耳の鍵盤」の正体

 内耳には、蝸牛というカタツムリのような螺旋(らせん)状の器官がある。引き延ばすと長さにして32mm。カタツムリの殻の入り口の方には高い音を、殻の渦巻きの中に行くほど低い音をキャッチする毛がビッシリと並ぶ。これが「有毛細胞」と呼ばれるもの。文字通り、毛が生えている細胞だ。有毛細胞に生えている「毛」は、高い音から低い音まで鳴らすいわば耳の「鍵盤」なのだ。

(イラスト 平井さくら)
[画像のクリックで拡大表示]

 振動を増幅する「耳小骨」の一つ(あぶみ骨)は、この蝸牛の入り口に接続。伝わってきた音の振動は、蝸牛の中にたまったリンパ液を揺らすことで波が起こる。この波が鍵盤である毛を揺らすことで音は電気信号になって脳に送られ、私たちは音を感じることができるらしい。

――八木医師「高い音をキャッチする有毛細胞は、あぶみ骨と接する入り口近くにあるだけに、常に刺激や振動を受けていてダメージを受けやすい部位。それだけに、老化が進むと高音から聞こえなくなってくるのです」

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