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未来を変えるアンメット・メディカル・ニーズ最前線

医師が処方する「治療アプリ」が登場間近

まずは禁煙治療で実用化、米国には「新薬に匹敵する効果もある治療アプリ」も

 荒川直樹=科学ライター

今は医療の変革点、アプリ開発で費用対効果の高い治療に

患者もアプリを使って、自分自身も参加して医療をより良いものにしていくという考え方は、いろいろな病気の治療に役立ちそうですね。日本でも、糖尿病の治療アプリは考えていないのですか。

佐竹 もちろん視野に入れています。現在、開発のパイプラインとしては、既に自治医科大学と共同研究を行っている高血圧のほか、今後は糖尿病、脂質異常症、メンタルヘルスなどに取り組んでいきたいと思っています。

高血圧もアプリで、いろいろな補助ができそうですね。

佐竹 高血圧の治療は、薬を飲むのが第一になっていますが、減塩など薬以外のアプローチもたくさんある。薬だけに頼る場合は、一生飲み続けなければならないですが、治療アプリによる行動変容によって薬をやめたり減薬できるようになると期待できます。

佐竹さんにとって治療アプリを作るイメージは、医療機器を作ろうというイメージなのか、または医薬品を作るイメージなのか、どちらなのでしょうか。

佐竹 医薬品に近いイメージですね。医療機器は医師など医療従事者が扱うものですが、治療アプリは医師が処方した後は、患者が自分で使っていくものですから。

これから先、どのように医療は変わっていくのか。5年先、10年先をどのように考えていらっしゃいますか。

佐竹 今までの医療は、薬による治療と各種医療器具など解剖学的デバイスによる治療が主でしたが、そこに、アプリによって患者の行動変容をもたらす治療法が登場しました。これまで2本柱だったところが3本柱になることが最も大きな変革といえるでしょう。ニコチン依存症では「薬とアプリで治しましょう」、生活習慣病などでは「薬ではなくアプリで治しましょう」という時代がやってくる。こういう医療が5年後に広まっていればいいですね。

医療費の削減にも貢献できそうですね。

佐竹 「治療アプリ」は医療費適正化に寄与するポテンシャルを持っているほか、費用対効果の高い医療を行うことで、多くの人がいつまでも健康で働けるようになります。その結果、経済活動が高まり医療費の負担をサポートできる。サスティナブル(持続可能)な医療を実現できるようになると考えています。

佐竹晃太(さたけ こうた)さん
キュア・アップ代表取締役 医師(呼吸器内科)
佐竹晃太(さたけ こうた)さん 1982年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。北見赤十字病院での初期研修を経て、日本赤十字社医療センターにて呼吸器内科医として勤務。その後、米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院に留学し、医療インフォマティクスを学ぶ(公衆衛生学修士号MPH取得)。2014年にキュア・アップを創業。16年8月に日本橋スマートクリニックを開設。専門は呼吸器疾患。
聞き手・企画:藤井省吾
日経BP総研 メディカル・ヘルスラボ所長
企画・聞き手:藤井省吾1989年東京大学農学部卒業、91年東京大学大学院農学系研究科修士了、農学修士。91年日経BP社入社。医療雑誌『日経メディカル』記者、健康雑誌『日経ヘルス』副編集長を経て、2008年~13年まで6年間『日経ヘルス』編集長を務める。14年~18年3月まで、ビズライフ局長・発行人。『日経Gooday』前発行人。18年4月から日経BP社執行役員 日経BP総研副所長マネジメントソリューション局長兼メディカル・ヘルスラボ所長。

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