日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > Dr.今村の「感染症ココがポイント!」  > インフルエンザ、検査「陰性」でも感染している場合も
印刷

Dr.今村の「感染症ココがポイント!」

インフルエンザ、検査「陰性」でも感染している場合も

症状あればマスクを

 田村知子=ライター

気になる感染症について、がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長の今村顕史さんに聞く本連載。今回は流行期を迎えている「インフルエンザ」を取り上げる。インフルエンザは例年、1月末から2月上旬に流行のピークがあり、年末年始の休み明けごろから感染者が急増していく。すでに感染したという人でも、再び感染するリスクはある。流行最盛期に備えて、今あらためて知っておきたいことを伺った。実は検査で陰性であっても感染している場合があるという。

写真はイメージ=(c)akz-123RF

【ココがポイント!】

  • インフルエンザは推計で年間1000万人が発症、1万人が亡くなっている
  • 高齢者や子どもは重症化しやすいので、特に予防が重要
  • インフルエンザワクチンは重症化を防ぐもの。接種しても感染しないわけではない
  • 予防にはワクチンのほか、手洗い、マスクの着用が有効。特にマスクは、感染者や感染が疑われる人がつけると感染拡大の防止に効果的
  • 検査で「陰性」でも感染している場合もあるので、症状から強くインフルエンザを疑うときはマスクや手洗いで感染を広めない対策を
  • 治癒証明や陰性証明は望ましくない。インフルエンザと診断されたり、その疑いがあったりするときは、しっかり休める環境づくりが必要

年間1000万人が発症、関連死亡者は1万人

インフルエンザが流行期を迎えています。

 地域にもよりますが、全国的に流行がピークを迎えるのは例年1月末から2月上旬です。年末年始休暇で人の移動があったあとの今ごろは感染者が急増してくる時期なので、一人ひとりが感染しない、感染を広げないための対策を行うことが大切です。

インフルエンザに感染する人は、毎年どのくらいいるのでしょう。また、インフルエンザが重症化するなどして死に至るケースはどの程度ありますか。

 インフルエンザの感染者数はその年によっても違ってきますが、推計で1000万人程度とされています。インフルエンザに関連する年間の死亡者数は、やはり推計で1万人程度です。多くの人は自然に治りますが、決して侮ってはいけない病気です。

 代表的な死亡原因は、インフルエンザによる肺炎と二次的に起こる細菌性の肺炎、インフルエンザ脳症など。肺炎は高齢者に、脳症は小さな子どもに多く見られます。ですから、重症化しやすい高齢者や子どもは特に、感染しないための予防策が重要になります。

ワクチンを接種しても感染することはある

インフルエンザの予防にはどのような対策が有効ですか。

 まずは、インフルエンザワクチンの接種ですね。季節性のインフルエンザには「A型」と「B型」があり、インフルエンザワクチンには1本にA型2種類とB型2種類の計4種類が入っています。ただ、インフルエンザワクチンを接種すれば、インフルエンザにかからないというわけではありません。ワクチンを接種していても、感染することはあります。

 それは、インフルエンザワクチンは「かからないためのワクチンではなく、重症化を防ぐことが目的のワクチン」だからです。そのため、ワクチンを接種していても安心せずに、日常的な予防を心がけることが大切です。

日常的な予防というと、手洗いやマスクということでしょうか。

 そうです。インフルエンザの主な感染経路はくしゃみや咳(せき)による飛沫感染ですが、ウイルスが付着した物や環境を手や指で触れ、その手指で鼻や口、目を触ることでも感染します。ですので、こまめに手を洗うことが大切です。特に、顔に触れやすい指先をよく洗ってください。

 インフルエンザをはじめ、多くの感染症(ノロウイルスなどを除く)にはアルコール性手指衛生剤も有効です。携帯サイズのものもあるので、そうしたものを外出時に持ち歩くのもいいですね。

 インフルエンザにかかってしまったときや、感染を疑うときには、マスクをつけるようにしてください。感染した本人やリスクのある人がマスクをつけると、感染を広めるのを防げます。また、ウイルスが付着した物に触れた手で鼻や口を直接触ると感染するという話をしましたが、その意味で感染予防のためのマスク着用も一定の効果はあります。ただいずれにしても、マスクを外したあとは、手を洗う習慣をつけましょう。ウイルスが付いたままの手で鼻や口に触れてしまうと、感染するリスクがあります。

検査で「陰性」でも感染の可能性はゼロではない

今の時期は風邪にかかることもあります。どのような症状があると、風邪ではなく、インフルエンザを疑いますか。

*1 流行注意報基準:感染症発生動向調査による定点報告において、10人/定点(週)を超えた保健所の管内人口の合計が、東京都の人口全体の30%を超えた場合とされている。

1/2 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 老化を左右する血管! 若返りのポイントは?

    体の中に縦横無尽に張り巡らされた「血管」をよい状態に保つことは、健康を維持するため、そして老化を防ぐために極めて重要だ。では、強い血管をキープし、老化した血管を若返らせるには、何をすればいいのだろうか。本特集では、2万例を超える心臓・血管手術を手がけてきたスペシャリストに、血管の若さを維持する秘訣と、血管を強くする運動法・食事法を聞いていく。

  • つらい「肩こり」は動的ストレッチで解消!

    肩こりの原因の大半は、生活習慣。すなわち、不自然な姿勢で過ごすことや、たとえ良い姿勢であっても長時間続けてしまうことが、首や背中の筋肉を緊張させ、筋疲労を引き起こす。この記事では、肩こりに関する記事の中から重要ポイントをピックアップして、肩こりの解消方法をコンパクトに紹介していく。

  • 筋肉博士が教えるロコモ予防の下半身筋トレ

    健康寿命を延ばすためには、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動だけでなく、「筋トレ」も重要であることが最近改めて認識されている。東京大学大学院教授で“筋肉博士”こと石井直方さんは、「寝たきりにならないためには、40~50代のうちから筋肉量を増やす意識で運動することが大切」という。そこで本特集では、石井さんに聞いた、筋トレの効果と、具体的な下半身筋トレの方法を一挙に紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2019 Nikkei Inc. All rights reserved.