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Dr.今村の「感染症ココがポイント!」

インフルエンザ、検査「陰性」でも感染している場合も

症状あればマスクを

 田村知子=ライター

 インフルエンザの典型的な症状は次の4つです。4つの症状が全て見られるときには、インフルエンザに感染している可能性が高くなります。

  • 1 突然の発症
  • 2 38℃以上の発熱
  • 3 のどの痛みや咳(せき)、鼻水など上気道の炎症による症状
  • 4 筋肉痛や関節痛、倦怠感などの全身症状

 感染からこれらの症状が表れるまでには、1~3日の潜伏期間があります。ですから、インフルエンザを発症した人と接触したことが分かったときには、数日間は症状に注意が必要です。

インフルエンザに感染しても検査で陰性と出ることも。写真はイメージ=(c)Henrik Dolle -123RF

 また、症状が表れたばかりのときは、検査を受けても正しい診断結果が出ないことが多いので、12時間以上経過してから受診するようにするといいでしょう。

 ウイルスが最も検出されやすいのは、発症後2~3日目とされています。ただし、その時期でも正しい診断率は高くても9割程度で、感染していても「陰性」の結果が出ることがあります。つまり、陰性と診断されても、症状から強く感染が疑われるときは、インフルエンザと考えて、マスクの着用や手洗いをするようにしてください。

インフルエンザと診断されたときは、どのような治療が必要ですか。

 インフルエンザは軽症なら、解熱剤などの対症療法でも自然治癒することが多いので、必ずしも抗インフルエンザ薬での治療が必要なわけではありません。

 抗インフルエンザ薬での治療は、発症から48時間以内の開始が推奨されています。現在、一般的に使われているのは、以下の5つの薬剤です。いずれの抗インフルエンザ薬も、症状を軽くして発熱の期間を短くしたり、重症化するのを防いだりする目的で投与されます。即座に効果が表れるわけではないので、すぐに熱が下がらないこともあります。

[画像のクリックで拡大表示]

「治癒証明書」は本来は不要

通勤や通学など外出はどのくらいの期間、控えた方がいいでしょうか。

 大人の場合は特に決まった基準はありませんが、子どもの場合は「学校保健安全法」で出席停止期間が定められています。それによれば、発症したあと5日を経過し、かつ、解熱後2日(保育所は解熱後3日)を経過するまでとされています。大人の場合も、これに準じて考えるケースが多いようです。

 インフルエンザを疑うときや、インフルエンザと診断されたときは、外出を控えてゆっくり休むことが大切です。それが、本人の回復にも、周囲に感染を拡大しないためにも重要となります。

 学校や職場によっては、医療機関で「治癒証明書」や「陰性証明書」の発行が求められることがあるようですが、医療機関で治癒や陰性の確認をするために検査をすることはなく、あくまでも熱がいつ下がったのかなどを、本人を信頼して聞くだけです。つまり、発症や解熱の時期を医療機関で証明することは一般的に難しいうえ、そういった証明書の発行は、医療従事者の業務の負担増や、体調が悪い中わざわざ病院に出向かねばならない患者本人の負担にもなります。厚生労働省も、医療機関に季節性インフルエンザの治癒証明書の発行を求めることは望ましくないとの見解を示しています。

 治癒証明書の発行を求めるよりも、感染症にかかったときやその疑いがあるときには休みやすい環境を整備しておくことを重視してほしいと思います。

最後に、1月中旬のこれからでもインフルエンザワクチンの接種は有効ですか?

 インフルエンザワクチンは、接種してから効果が表れるまでに、2週間程度かかります。その期間を鑑みて、検討するといいでしょう。インフルエンザの流行ピークを越えても、通常は春先まで流行は続きます。従って、重症化しやすい高齢者や乳幼児、基礎疾患のある人、周囲に重症化しやすい人がいる人などは、これからでも接種しておくことが勧められます。

(図版制作:増田真一)

今村顕史(いまむら あきふみ)さん
がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長
今村顕史(いまむら あきふみ)さん 1992年浜松医科大学卒業。駒込病院で日々診療を続けながら、病院内だけでなく、東京都や国の感染症対策などにも従事。日本エイズ学会理事などの様々な要職を務め、感染症に関する社会的な啓発活動も積極的に行っている。自身のFacebookページ「あれどこ感染症」でも、その時々の流行感染症などの情報を公開中。都立駒込病院感染症科ホームページ(http://www.cick.jp/kansen/)。

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