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怖い病気の予兆

「下痢が多い」「便に血が…」働き盛りを襲う潰瘍性大腸炎が急増中!

第26回 大腸がんのリスクを高める難病は早期発見がカギ

 荒川直樹=科学ライター

早期発見と薬物治療をしっかり継続することが大切

 前田さんは「潰瘍性大腸炎は治療の選択肢が増え、適切な治療を続ければ手術治療を受けずに生涯、病気をコントロールできることが多くなりました」と話す。その上で、治療のポイントを2つ挙げた。

 一つは早期発見、早期治療だ。「5−アミノサリチル酸製剤でコントロールできれば、ステロイド療法などと違って生活の制限がほとんどない日常を送ることができます」(前田さん)

 かつては厳しい食事療法が行われていた時代もあったが、現在は自分自身でお腹の調子を崩しやすい食品を避けることに気をつけるだけで十分だという。

 もう一つは治療の継続だ。前田さんは「症状が無くなったからといって治療を勝手にやめると寛解期が短くなるばかりか、軽症だった患者が中等症、重症へと進んでしまうケースがあることが分かってきました。特に抗TNF-α抗体製剤は治療を中断すると効果が得られなくなることがあります」とアドバイスする。

 潰瘍性大腸炎は発症すると一生付き合わなければならない難病だが、それでも病気をうまくコントロールできる時代になった。工藤さんは「血便、粘液便など便の異常を感じたら、怖がらずに大腸内視鏡検査を受けてほしいですね。潰瘍性大腸炎の場合は、治療の進歩が著しいので、心配なことがあればセカンドオピニオンなどを受けてください」と説明する。

【エマージェンシー・マニュアル】

このような場合は大腸内視鏡検査を受ける

  • 下痢・軟便が長期間続く
  • 便に白い粘液や血液が混ざることがある(赤くドロッとした粘血便になる)

潰瘍性大腸炎、大腸がん、感染性腸疾患など原因を見分ける

(図版:増田真一)

工藤進英(くどう しんえい)さん
昭和大学横浜市北部病院 消化器センター長
工藤進英(くどう しんえい)さん 1973年新潟大学医学部卒。新潟大学外科、秋田赤十字病院外科部長、同院胃腸センター長を経て、2000年昭和大学医学部教授・同大学横浜市北部病院消化器センター長。2001年より同院副院長も兼務する。幻のがんと呼ばれた陥凹型大腸がんを発見したことでも知られる、大腸がん治療の世界的名医。1日50件もの大腸内視鏡検査をこなし、実績は通算20万例以上にものぼる。著書に『逆境の中で咲く花は美しい がん患者の救世主の生きる哲学』(2017年、幻冬舎)など多数。
前田康晴(まえだ やすはる)さん
昭和大学横浜市北部病院 消化器センター助教
前田康晴(まえだ やすはる)さん 2008年滋賀医科大学医学部卒。湘南鎌倉総合病院での初期研修終了後、2010年より現職。

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