「夜間頻尿はどうすれば治る?」読者の悩みに名医が回答!
日本大学医学部泌尿器科学系主任教授・高橋悟先生(前編)
伊藤和弘=フリーランスライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は天皇陛下の前立腺がんの手術にも参加し、「頻尿」や「前立腺」関連の記事で日経Gooday読者にもおなじみ、日本大学医学部泌尿器科学系主任教授の高橋悟先生です。
日本大学医学部泌尿器科学系主任教授・高橋悟先生Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
急に強い尿意をもよおし、チャックを開ける前に漏らしてしまう(中編)
Q 5
Q 6
Q 7
Q 8
Q 9
Q10
編集部 日本大学医学部泌尿器科学系主任教授の高橋悟先生は、東大病院時代には天皇陛下の前立腺がん手術にも参加した、泌尿器科のエキスパート。日経Goodayの記事にもたびたびご登場いただいています。
そんな高橋先生に向けて、読者からの質問を募集したところ、いつも以上に多くの質問が寄せられました。できるだけ多くの質問にお答えいただくため、今回は前編・中編・後編の3回に分けてお届けします! では早速最初の質問からいってみましょう。
夜中のトイレ、何回までなら治療の必要なし?
66歳の男性です。夜中に尿意をもよおしますが、何回くらいまでなら治療の必要はありませんか? 副作用のない予防薬はありますか? (60代男性)

編集部 今回特に多かったのは「頻尿」に関する質問やお悩みでした。夜中にトイレに起きる夜間頻尿に悩んでいる方はとても多いようです。最初の質問は、「何回くらい起きるようになると治療の必要が出てくるのか」というものです。
高橋 医学的な定義でいえば、夜間、睡眠を中断してトイレに起きることが1回でもあれば夜間頻尿です。とはいえ、国内の疫学調査によると、60代後半になれば1回くらいトイレに起きるのが普通なので、それだけでただちに病的とは言えません。これが2~3回以上になると、「熟睡できない」「睡眠の質が落ちた」と感じる人が多くなるので、一般には、就寝中に2回以上トイレに起きるようになると治療の対象と考えます。生活の質に直結する問題なので、本人が不快だと感じたときが治療のタイミングと考えてもらえばいいでしょう。
編集部 ということは、夜中に3~4回目が覚めても、気にならなければ治療しなくてもいいということでしょうか。
高橋 はい、ご本人が気にならないのであれば治療の必要はありません。