「白内障で『様子を見ましょう』と言われたけれど…」読者の悩みに名医が回答!
白内障手術の世界的名医・赤星隆幸先生(前編)
田村知子=フリーランスエディター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は、白内障手術のエキスパートとして世界でも有数の症例数を誇る、眼科医の赤星隆幸先生です。
白内障手術の世界的名医・赤星隆幸先生 Q&A
Q 1
いわゆる“ガチャ目”で白内障。手術で視力が回復する可能性は?
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
Q 6
老眼と遠視あり。眼内レンズは近方と遠方どちらに合わせれば?(中編)
Q 7
Q 8
前立腺肥大症で服薬中。白内障手術を行う際の注意点は?(後編)
Q 9
点眼薬で目の周囲にかゆみやただれが。使い続けても大丈夫?(後編)
Q10
糖尿病の父が白内障に。手術の前後に気をつけるべきことは?(後編)
Q11
網膜静脈閉塞症で治療中でも、白内障の手術は受けられる?(後編)
Q12

編集部 眼科医の赤星隆幸先生は、1992年に「フェイコ・プレチョップ法」と呼ばれる安全かつ短時間で行える白内障手術の術式を開発され、年間1万件近くもの手術を手掛けています。海外の学会から招聘される機会も多く、これまで67カ国でその技術を伝えてこられました。つい最近は、南米・アマゾンの奥地まで出向いて現地の人たちの白内障を手術されたとか!
そんな世界的名医の赤星先生に質問できる貴重な機会ということで、多くの読者からお悩みや相談が寄せられました。そこで今回は、前編、中編、後編の3回に分けて、赤星先生の回答をお届けします! 全部で12問ありますが、よろしくお願いいたします。
赤星 読者の皆さんに白内障の正しい理解を深めていただく機会になれば、私もうれしいです。
編集部 前編は、白内障の手術をすべきか否か、あるいはそのタイミングについての質問をまとめました。それでは、さっそく始めましょう。
白内障手術で“ガチャ目”の視力も回復する?
小学生の頃から左右の視力差があるいわゆる“ガチャ目”(視力は右目2.0、左目0.1)で、現在の視力も右目が0.7、左目は0.1~0.3で推移しています。日ごろは裸眼で生活していますが、メガネを作ろうと眼科へ行ったところ、左目に白内障があると診断されました。手術をした場合、左目の視力が回復する可能性はあるのでしょうか。 (40代後半女性)