「男性更年期障害は自然に治る?」読者の悩みに名医が回答!
男性更年期障害の専門家・順天堂大学医学部教授の辻村晃先生(後編)
伊藤和弘=フリーランスライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者など、健康・医療のエキスパートが月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科教授で、Dクリニック東京メンズ(東京都千代田区)とDクリニック大阪メンズ(大阪市北区)では「男性更年期専門外来」の担当医も務める辻村晃先生です。今回は、男性更年期障害は自然に治るのか、前立腺がんや精索静脈瘤の手術と男性更年期の関係は、といった相談に答えていただきました。
順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科教授・辻村晃先生 Q&A
Q 1
やる気がわかず、軽いうつ症状も。これは男性更年期障害?(前編)
Q 2
面倒くさいと思うことが増えたけど、性欲の衰えは感じません。(前編)
Q 3
Q 4
Q 5
Q 6
Q 7
Q 8
Q 9

編集部 前編では、男性更年期障害の症状、自分でチェックする方法、男性ホルモンを増やす生活習慣について、男性更年期障害のエキスパートとして知られる辻村晃先生にお伺いしました。
後編では、男性更年期障害は治療しなくても治るのか、前立腺がんの手術との関係などについての相談に答えていただきます。では、さっそく最初の質問です。
原因がはっきりしていれば自然に治ることも
意欲の低下、不眠、性欲減退などの症状が表れ、男性更年期障害ではないかと思っています。放っておいても、自然に改善するものでしょうか? やはり医療機関に行って治療を受けたほうがいいですか?(50代後半男性)
編集部 風邪のように自然に治るものであれば、わざわざ医療機関に行きたくないという気持ちも理解できます。
辻村 これは難しい…。男性ホルモンは一般に年齢とともに低下します。さらにストレスなどで急激に下がることがあります。一番大きいのは職場の環境。つまり仕事のストレスが引き金になりやすい。会社で大きな仕事を任されたとか、上司とウマが合わないとかね。そういうことをきっかけに症状が出ることが多いです。
その後、配置替えなどで悩みが解消されると治ることもある。そういう意味では、特に治療を受けなくても生活環境の変化で治ることもあるわけです。でも、それはストレスの原因がはっきりしている場合でしょう?