「尿酸値を下げるために、最も気をつけるべきことは?」読者の悩みに名医が回答!
痛風・高尿酸血症の専門家、東京慈恵会医科大学名誉教授・細谷龍男先生(後編)
伊藤和弘=フリーランスライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者など、健康・医療のエキスパートが月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は日本痛風・尿酸核酸学会(旧日本痛風・核酸代謝学会)の前理事長で、痛風や尿酸値に関する記事で日経Goodayに何度もご登場いただいている、東京慈恵会医科大学名誉教授の細谷龍男先生です。今回は、尿酸値を下げる生活習慣、飲酒習慣やお酒の選び方などについての相談に答えていただきました。

編集部 前編では、尿酸値が高い状態を放置していてもいいか、痛風にかかったとき(疑われるとき)にどの病院に行けばいいのか、そして尿酸値を下げる薬との付き合い方について、痛風・尿酸のエキスパートである細谷龍男先生にお話を伺いました。
後編では、尿酸値を下げる生活習慣、飲酒習慣やお酒の選び方などについての相談にお答えいただきます。では、さっそく最初の質問です。
尿酸値を下げるために、最も気をつけるべきことは?
尿酸値が高めで、現在8.0mg/dLになりました。中性脂肪やコレステロールは少しずつ改善しているのですが、尿酸値は悪化しています。どうすれば尿酸値を下げられるのでしょうか。 (40代男性)
編集部 他の方からも、尿酸値を下げるにはどうすればいいかという問い合わせを複数いただいています。何をすれば、尿酸値が下がるのか、気にしている人は多いようです。
尿酸値を下げるため、生活の中で最も気をつけるべきことは何でしょうか?
細谷 残念ながら、「これさえすれば尿酸値は下がる」という方法はありません。ほかの生活習慣病と同じく、バランスの取れた食事をし、適度に運動する習慣を持つことです。
最も注意してほしいのは体重です。体重と尿酸値には相関関係があることが分かっており、一般に体重が減れば尿酸値も下がります。体重の変化は自分でもチェックすることができます。体重が増えているというのは、生活習慣が良くない証拠といえます。
編集部 体重は、どれくらい減らすことを目標にすればいいですか?
細谷 体重は少なければ少ないほどいいわけでもないし、短期間で体重を減らすのは健康にも良くありません。人によっても適切な体重は違うので、単純に身長と体重だけで判断しないほうがいいでしょう。私がいつも患者の方に伝えているのは、「20代前半、新社会人になったころの体重」を目標にすることです。
編集部 なるほど、20代前半に70kgだった人が、今80kgになっていたら、70kgを目標にするということですね。
体重を減らすには、やはり食事と運動ということになると思います。食生活については、この次の質問にありますので、先に尿酸値を下げる運動について教えていただけますか。