「白内障手術で乱視も矯正できる?」「コンタクトレンズが痛い」名医が回答
目の疾患に詳しい、二本松眼科病院の平松類先生(中編)
堀田恵美=ライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
2021年7月の回答者は、目の専門医である二本松眼科病院(東京都江戸川区)の平松類先生です。
二本松眼科病院の平松類先生Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
Q 6
Q 7
Q 8
Q 9
Q10
Q11
Q12
Q13
Q14
Q15
Q16
Q17
編集部 前回、ドライアイや複視、目薬の効用などについてお伺いしました。今回は、白内障や飛蚊症、コンタクトレンズなどについての質問にお答えいただきます。ではさっそく、最初の質問です。
白内障の手術で乱視も矯正したい
若い頃から弱い乱視があったのですが、視力が良かったときは特に不自由を感じていませんでした。ところが、10年ほど前から乱視が進み、道路標識の文字がいくつも重なって見えるようになりました。現在の視力は0.1程度まで低下しています。先日、核性白内障と診断され、医師に手術を勧められたのですが、白内障の手術で乱視の矯正も同時にできないのでしょうか。(64歳男性)
編集部 白内障で、乱視も進んでいるという方からの質問です。
平松 まず乱視について説明しておきましょう。目はカメラのレンズの役割をする角膜と、水晶体による光の屈折によりピントを合わせます。角膜や水晶体がきれいな球面であれば光が1カ所に集まるのですが、形がゆがんでいると縦・横・斜めで光の屈折が異なるため焦点が1カ所で合わず、ものがぼやけて見えたり、同じものが角度によってはっきり見えたり見えにくくなったりします。これが乱視です。
編集部 なるほど。50代になってから乱視が進むことはよくあるのでしょうか。
平松 はい。角膜や水晶体の形が重力の影響を受けて少しずつ変わっていくことがあるので、年をとるとともに乱視が悪化したり、見え方が変わったりするのはよくあることです。メガネを使っている人は、2年に一度は検査を受けて、必要なら作り直したほうがいいでしょう。また、この方の「核性白内障」というのは、水晶体の中心部から濁り始める白内障で、近視が進みやすいのが特徴です。乱視がなくても視力は低下したはずです。