「目薬でウイルスを流せる?」「ドライアイがつらい」読者の悩みに名医が回答
目の疾患に詳しい、二本松眼科病院の平松類先生(前編)
堀田恵美=ライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
2021年7月の回答者は、目の専門医である二本松眼科病院(東京都江戸川区)の平松類先生です。
二本松眼科病院の平松類先生Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
Q 6
Q 7
Q 8
Q 9
Q10
Q11
Q12
Q13
Q14
Q15
Q16
Q17
編集部 平松類先生は、眼科専門医として目の病気や不調全般に精通されていますが、なかでも特に緑内障や網膜硝子体の治療、白内障について詳しく、著書も多数出されています。高齢者の診療経験も豊富で、専門知識がない人にも分かりやすく説明してくださると、講演会やメディアへの露出も絶えません。
今回、目の不調について質問を募集したところ、多くの質問が寄せられました。それに対する平松先生の回答を、3回に分けてお届けします。
平松 よろしくお願いいたします。
編集部 ではさっそく、最初の質問です。
ドライアイで目が乾いてつらい
目が乾くのがつらくて気になるのですが、ドライアイでしょうか。そもそもドライアイは、どんな原因でなるのでしょうか。(53歳女性)
平松 ドライアイとは、目の表面の涙が少なくなってしまうことです。その原因を涙の分泌量の低下によるものだと思っている人が多いのですが、実際に涙の量が減るドライアイは少なく、ほとんどのドライアイは涙の「質」の低下によるものです。
本来、涙は、目に涙を定着させるムチン層と水層、蒸発を防ぐ油の層という「3層構造」になっています。ところが、何らかの理由でこの3層構造が崩れると、いくら涙をたくさん出してもすぐに乾いてしまうのです。目の表面が乾くと、まばたきなどの刺激でも角膜表面に傷がつきやすくなり、傷の痛みでさらに涙が出るので、さらに乾きやすくなるという悪循環に陥ります。
私は普段から涙がたくさん出るのに目が乾くドライアイ患者さんを多く診ています。