「たんぱく尿があるが、腎生検は受けたくない…」読者の悩みに名医が回答!
JCHO東京高輪病院院長・木村健二郎先生(中編)
田村知子=フリーランスエディター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
2019年6月の回答者は「腎臓病」のエキスパートとして知られる、JCHO東京高輪病院院長の木村健二郎先生です。
JCHO東京高輪病院院長・木村健二郎先生 Q&A
Q 1
健康的な生活をしているのに、腎機能がやや低下しています(前編)
Q 2
Q 3
クレアチニン値を下げるために、できることを教えてください(前編)
Q 4
Q 5
Q 6
Q 7
Q 8
Q 9
尿潜血反応が続いています。将来、腎臓病になる可能性は?(後編)
Q 10
腎血管筋脂肪腫で経過観察中。尿潜血もあるが心配ない?(後編)
Q 11

編集部 前編では、健康的な生活をしているのに、腎機能の検査値が悪いという方や、腎機能の低下と体のだるさに関連があるかどうかを心配されている方などのご相談にお答えいただきました。
今回は、腎生検を勧められているが受けたくないというご相談や、腎機能と体格との関連についてのご相談などをうかがっていきます。では、さっそく最初の質問です。
20代後半からたんぱく尿あり。腎生検を受けないとダメ?
20代の後半から、健診でたんぱく尿を指摘され始めました。50代になってから、内科で降圧薬を処方してもらいながら、3カ月ごとにクレアチニン値を経過観察しています(現在1.25mg/dL程度)。かかりつけ医からは腎生検を勧められていますが、腎臓病の治療法はないと理解しており、入院して腎生検を受けるのは苦痛なので、先延ばしにしています。食事療法などで腎機能を改善させる方法はないでしょうか。(50代前半男性)
編集部 ご相談者の年齢は50代前半ということで、仮に54歳だとしてクレアチニン値とともにeGFR値の計算式に当てはめると、48.4(mL/分/1.73m²)となります。
前編で、慢性腎臓病の重症度(将来の人工透析や心血管疾患の危険度)は、尿たんぱくとeGFR(推算糸球体ろ過量)値の組み合わせで考えるのが基本だと伺いました。ここで改めて、重症度の分類図を見てみると、ご相談者のeGFRが48.4(mL/分/1.73m²)で、尿たんぱくが(+)以上だとすると、オレンジ色から赤色のステージとなり、リスクが高い可能性が考えられますね。
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